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スコアリングを使わないナーチャリングステージ設計

スコアリングを使わないナーチャリングステージ設計

2024/07/13

デジタルマーケティングに取り組む企業はマーケティングオートメーション(以下、MA)を導入し、獲得したリードのナーチャリング(育成)に取り組んでいる。しかし、リードナーチャリングが上手くいっている事例を耳にすることはあまりない。

リードナーチャリングの話題になると、決まってこのような声が聞こえてくる。

  • リードステージを設計したが、思うようにMQL(Marketing Qualified Lead)へと遷移していかない

  • MQL化したリードに架電フォローしているが、商談化率が低い

  • あまりにMQLが機能しないため、インサイドセールスからの苦情が絶えない

このような問題は、「スコアリングを使わず、”顧客行動”を軸にナーチャリングステージを再設計すること」で解消できる。

今回は、リードナーチャリングが上手くいかない理由と、顧客行動を軸としたナーチャリングステージ設計について解説する。

一般に推奨されているリードステージとスコアリングルール

MAベンダーや多くのマーケティングコンサルティング会社では、以下のようなステージ設計とスコアリングルールを推奨している。

よくあるライフサイクルステージ
よくあるスコアリングルール

上記のようにリードステージを設計することで、マーケティング/セールス活動のどのプロセスがボトルネックになっているのかをすぐに発見できる。そして、発見したボトルネックを迅速に解消することで、安定した収益拡大を実現できるとされている。

関連書籍:THE MODEL マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス|MarkeZine BOOKS

しかし、実際は以下のような状況に陥っている企業が多い。

成果が出ていない企業のパイプライン

施策次第で改善することも当然あるが、土台となるステージ設計、スコアリングルール設計が適切でない場合もある。前提となるルールが不適切な状態では、マーケターが何をしても成果に繋がらないのは当然である。

リードナーチャリングが機能しない理由

スコアリングをベースとしたリードナーチャリングが機能しにくい背景には、2つの理由がある。

1.スコアリングでは顧客の「今、この瞬間」を検知できない

スコアリングルールは、「顧客の興味関心は累積していくもの」という前提のもと設計されている。しかし、購買意欲とは情報収集している瞬間は高まり、別の作業に移れば下がるものだ。

実際、顧客アクションからフォローまでの時間により、接触率には大きな差が出るということがエンSX社の調査で分かっている。

出典:SDR初級者でも成果が出せる最もシンプルな方法|Inside Sales Plus

この調査からもわかるように、購買意欲を積み重ねていくより、顧客がアクションを起こした瞬間にフォローできるような連携体制・ステージ設計をする方が賢明と言える。

2. 顧客はナーチャリングなんて望んでいない

「リードナーチャリング」とは、「リード(見込み客)」と「ナーチャリング(育成)」を組み合わせた用語のこと。情報提供を通じて見込み客を育成し、自社サービスの必要性への理解を促進することで受注に繋げるという概念だ。

しかし、「リードナーチャリング」という言葉には3つの問題点がある。

  • 顧客は顧客の都合によって動くのであり、売り手側の「育成」に関心はない

  • 「育成」という言葉に「売り手が上で買い手が下」という傲慢な思考を含んでいる

  • 顧客は顧客の論理に従って「買っていない」のであり、理解が浅いからではない

便宜上ナーチャリングという言葉は使うとしても、「顧客を育成する」と捉えるのではなく、「顧客の役に立つコンテンツを届け、反応を生み出す」と捉えるのが良いだろう。

顧客行動を軸としたナーチャリングステージ

購買行動の主役は顧客であり、顧客は顧客の都合で行動する。その前提に立つと、ナーチャリングステージは”顧客行動”を軸として設計するのが良い。

グロースソイルでは、以下の通りのナーチャリングステージ設計を推奨している。

上記のナーチャリングステージ設計の背景には「顧客が一番関心を持っている瞬間に連絡するのが一番の価値提供」という思想がある。起こしたアクションによって購買意欲の高低は推測できるため、アクションごとにステージを分けている。

各ステージの顧客に届けるコンテンツは4つに分類している。

ナーチャリングステージ

届けるコンテンツ

Stage 1

ナレッジ

Stage 2

事例

Stage 3

サービス関連

Stage 4

なし(営業フォロー)

このように整理しておくと、「どのステージからの引き上げを強化するために、どんなコンテンツを生み出すべきか」が明確になり、コンテンツ企画が楽に、そして的を射たものになる。

スコアリングを使わずに顧客行動を軸としたナーチャリングステージを実装し、社内の共通言語化すると、すべての企画、すべての議論が顧客視点を持ったものへと変化する。

関連記事:顧客視点で考えるマーケティングコンテンツの3分類

関連記事:顧客の購買を支援するセールスコンテンツを生み出すには

ナーチャリングステージの設計に、顧客と向き合う姿勢が表れる

ナーチャリングステージには一定のセオリーはあれど、各社の商流や社内事情に合わせて個別設計することが多い。そのナーチャリングステージをどのような視点で、どのような言葉を使って定義するかには、顧客と向き合う姿勢が表れる。

ナーチャリングステージ設計は、マーケティングに関するあらゆる議論の土台となる。マーケティング組織が顧客の方を向き、価値ある活動ができるよう、顧客行動を軸としてナーチャリングステージを見直してみてほしい。

この記事の執筆者

株式会社グロースソイル
代表取締役

髙橋 航平

大学卒業後、新卒で人材系ベンチャー企業のネオキャリアに入社。マーケティング本部にて、新規BtoBメディア事業の立ち上げを経験。 その後、MAの導入活用支援会社に転職し、コンテンツ編集長として自社マーケティングと新規顧客開拓を推進。
2024年1月、株式会社グロースソイルを創業。BtoB企業のナーチャリング課題を解消できる会社づくりに取り組む。