BtoBマーケティングを構成する3つの要素
2024/12/02
「BtoBマーケティングをやりたいけれど、何から着手すれば良いのかわからない」
展示会で様々な方とお話しするなかで、このような悩みを多く耳にした。BtoB事業におけるマーケティングの責任範囲は年々広がっており、それに伴って業務は複雑化の一途をたどっている。それらすべてを取り組みはじめから理解し、実行に移すのは現実的ではないと考えている。
本記事では、これからBtoBマーケティングに取り組む方に向けて、BtoBマーケティングを構成する主要な3つの要素について解説する。
※本記事は、#B2Bマーケアドベントカレンダー2024 2日目の投稿として制作しています
解説の前提
マーケティングを考える上で欠かせないのが「マーケティングファネル」の概念。
マーケティングファネルとは、見込み顧客との接点を持ち、最終的に契約に至るまでのプロセスを段階的に表したもの。BtoBマーケティングにおいては下図のように表現されることが多い。

※1 MQL(Marketing Qualified Lead):マーケティング活動を経て見込み度が高まったリード
※2 SQL(Sales Qualified Lead):営業部門が受注確度が高いと判断したリード
一般的な企業では、ファネルの左端、つまりWebサイトのユーザー数の拡大から着手し、ファネルの右側の数値を改善していくようなアプローチを取る。しかし、このようなアプローチにはいくつかの難点がある。
ユーザーを増やすための施策(主にSEO)は成果が出るまでにかなりの期間を要する
SEOのために制作したコンテンツは他の施策に生かしづらい
Webサイトのユーザー数とリード数が増えても、ナーチャリングコンテンツがないためMQL・SQL・受注の拡大に繋がらない
このような問題を回避するために、グロースソイルでは下図のようなファネル設計を提唱している。

グロースソイルでは、Webサイトのユーザー数拡大を重視せず、リード獲得力の拡大からマーケティング活動をスタートさせる戦略を推奨している。短期間でマーケティングの収益貢献を一定示すことで、マーケティングチームが社内で信頼を得たうえで活動のさらなる拡大へと繋げられる。
BtoBマーケティングを構成する3つの要素
BtoBマーケティングは年々複雑化しており、すべてを理解したうえでスタートするのは現実的ではない。まずは全体の要素をかんたんに理解し、素早く動き出すのが望ましい。
BtoBマーケティングを効率的に進めるためには、以下の3つの要素を押さえておくと良い。
システム基盤
顧客データを収集し、マーケティング施策や営業連携、データ分析に活かすための基盤
コンテンツ
顧客の課題解決を支援し、自社サービスの必要性についての理解を促す情報
プロモーション
コンテンツを届けるための仕組み
これら3つの要素を強化し続けることで、商談・受注を生み出すBtoBマーケティングができる。
要素1:システム基盤
マーケティング活動の根幹を支えるのが「システム基盤」。
BtoBマーケティングで成果を挙げるには、顧客データを取集して施策に生かすこと、最適なタイミングで営業アプローチをすることが重要だ。これらを実現するためには、システム基盤の構築が欠かせない。
BtoBマーケティングを推進するうえで特に重要なツールは以下3つ。
アクセス解析ツール
Webサイトのアクセス状況を分析するためのツール。Webサイトの導線改善へとつなげられる。代表的なツールとしては、Google Analytics 4が挙げられる。
マーケティングオートメーション(MA)
顧客データを収集し、顧客の興味関心に合った情報の提供、最適なタイミングでのアプローチを実現するためのツール。代表的なツールとしては、HubspotやAccount Engagementなどが挙げられる。顧客管理システム(CRM)
営業活動で得た顧客情報を一元管理するツール。顧客ごとの購買状況や商談進捗を記録し、営業活動の最適化に繋げられる。代表的なツールとしては、HubspotやSalesforce、Microsoft Dynamicsなどが挙げられる。
これらのツールを用い、デジタル・リアル両面での顧客データを収集できる基盤をつくれると、BtoBマーケティングを推進しやすくなる。
システム基盤を構築するうえでの注意点
システム基盤を構築する際は、データがサイロ化しないよう、各種ツールに散在するデータを集約することを念頭においてツールを導入してほしい。
下図のようなデータ環境を築くことを目指し、個別のツール選定をすると、中長期的な事業成長を支えるシステム基盤をつくれる。

特に、システム基盤を築くうえで以下3点は重要である。
MAとCRMが相互連携できるツールである
マーケティング/営業に関するデータを一か所に集約する
データの集約は専用のツール(ETL/ELT)を利用する
要素2:コンテンツ
コンテンツなくしてマーケティングの成功はない。しかし、どのようなコンテンツを作っていけば良いのかわからないと悩む人も多い。
BtoBマーケティングにおいて意義のあるコンテンツを生み出すには、コンテンツの分類を知る必要がある。BtoBコンテンツは、大きく以下3つに分類できる。
興味醸成コンテンツ
まだ自社の事業領域について関心を持っていない人でも反応するような、注目度の高いテーマを扱ったコンテンツのこと
例)オウンドメディアの記事
課題特定コンテンツ
顧客が抱えている悩みを解消するための課題を示すコンテンツのこと例)ナレッジ記事、ホワイトペーパー
検討支援コンテンツ
自社サービスの利用を検討している顧客が、検討に足る情報を得るためのコンテンツのこと例)事例記事、サービス詳細資料
これらのコンテンツを訴求サービス、顧客セグメントごとに用意していくことで、商談・受注まで繋げるBtoBマーケティングの実現に繋げられる。
要素3:プロモーション
いかに優れたコンテンツであっても、顧客に届かなければ意味がない。コンテンツを生み出したら、必ずプロモーションが必要となる。主要なプロモーション施策としては、以下のようなものが挙げられる。
検索エンジン対策(SEO)
Googleをはじめとした、検索エンジンで上位に表示されるための対策
メールマガジン
獲得したリードに対して、コンテンツを定期的に配信するSNS広告
FacebookやXで広告を配信し、未接触のターゲットにコンテンツを訴求する外部メディアへの掲載
ホワイトペーパーや記事広告を掲載し、未接触のターゲットにコンテンツを訴求する
作り込んだコンテンツは、プロモーションを通じてターゲット顧客に届いて初めて価値を発揮する。自社の戦略に合ったチャネルを選定し、ターゲット顧客に届けることが重要だ。
終わりを思い描くことから始める
全世界で4,000万部以上を売り上げる名著『7つの習慣』のなかで、著者のスティーヴン・R・コヴィーはこう綴っている。
すべてのものは、まず頭の中で創造され、次に実際にかたちあるものとして創造される。
第一の創造は知的創造、そして第二の創造は物的創造である。
BtoBマーケティングも、まずは大枠を思い描き、それを形作るように進めることで、早期から収益に貢献する活動ができる。本記事を通じてBtoBマーケティングの全体像を掴み、最初の一歩を踏み出してもらえれば幸いだ。
この記事の執筆者
株式会社グロースソイル
代表取締役
髙橋 航平
Adobe Marketo Engageの導入支援会社にてコンテンツ編集長を務めたのち、2024年に株式会社グロースソイルを創業。
ナーチャリングに特化して、マーケティング支援サービスを展開。独自のナーチャリングモデル『アクションナーチャリング』をもとに、BtoB企業に顧客指向のナーチャリングを実装している。


