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【株式会社AGEST】ナーチャリングの強化で問い合わせ数2.5倍、受注率1.5倍を実現

【株式会社AGEST】ナーチャリングの強化で問い合わせ数2.5倍、受注率1.5倍を実現

ソフトウェアの品質保証(QA)とサイバーセキュリティを主軸にサービスを展開する株式会社AGEST。株式会社デジタルハーツホールディングスの子会社として設立された同社は、ゲームデバッグ事業で培った知見をシステムやソフトウェア分野に応用し、急速な成長を遂げています。2025年9月には独自AIテストツール『TFACT』をリリース。品質保証領域における技術革新にも積極的に取り組むなか、さらなる事業拡大に向け、マーケティング基盤の強化に取り組んでいます。

そんな同社は昨年、グロースソイルとの協業を通じてコンテンツマーケティングの体制と仕組みを構築。[前回記事はこちら] その後もナーチャリングコンテンツの制作を継続することで、大きな成果を挙げています。今回は、マーケティング本部 本部長の大久保様と、セールスディベロップメント部 部長の小西様にお話を伺いました。

顧客の検討フェーズに応じたコンテンツが不足

——貴社はこれまでもコンテンツ制作に取り組まれていますが、主にどんな目的で進められていたのでしょうか?

大久保様(以下、敬称略):将来のお客様との接点を早い段階から築く目的で、オウンドメディア『Sqripts』でシステム開発における「品質」に関する情報発信を行っていました。

同社のオウンドメディア『Sqripts』

私たちのサービスは顧客単価が高く、実際にご発注いただくまでに数ヶ月程度の時間を要するため、長期にわたる信頼関係づくりが不可欠です。そのため、潜在的なお客様と「テストや品質保証」という領域への関心をきっかけに接点を持ち、少しずつコミュニケーションを深めていく必要がありました。

——コンテンツを商談創出につなげる取り組みのなかで、どんな壁や課題がありましたか?

大久保:商談につなげるという観点でのコンテンツ設計ができていなかったことが課題でした。これまでのオウンドメディアの記事は、エンジニアに協力してもらいながら制作しており、その結果、技術的な深みや書き手の熱量が込められた唯一無二のコンテンツを発信できていました。

ただ一方で、それらの記事は「どのフェーズの顧客に、どんな課題解決の切り口で届けるか」といったマーケティング的な設計に基づいていたわけではありません。そのため、良質な記事は数多く生まれたものの、必ずしも商談創出に直結するとは限らない点に難しさがあります。

“戦略的なコンテンツ制作”を支える体制が整う

マーケティング本部 本部長 大久保 様

——グロースソイルによるコンテンツ制作支援を通じて、どんな変化が生まれましたか?

大久保:最大の変化は、「顧客の悩み」を起点にコンテンツを制作し、商談創出へとつなげられる運用体制が整ったことです。

従来は「誰に・どんな課題解決を届けるのか」という観点が十分ではありませんでしたが、今ではそれを起点にコンテンツを企画できるようになりました。昨年までの支援では、システムやインサイドセールスとの連携体制を含めたマーケティング基盤の構築を行っていただきました。そのうえで、サービスへの関心や相談に自然とつながるコンテンツを継続的に制作できるようになり、基盤を活かして商談化へつなげられる体制が確立されたと感じています。

——実際にグロースソイルとコンテンツを制作する過程で、印象に残った点はありますか?

小西様(以下、敬称略):こちらの漠然とした要望を具体的なコンテンツ案に落とし込み、前のめりに提案していただけることです。営業目線では「こういうテーマがあるといい」という発想は出てきても、それをどう記事化するかを社内だけで考えるのは難しい。そのため、「この順番で、こういう顧客に向けて発信しましょう」と設計を示していただけるのは非常に助かります。

また、毎回のインタビューもスムーズで、私たちが持つ一次情報を効果的に記事に落とし込んでいただいています。ゼロから聞き出すのではなく、事前に仮説を立てて議論の土台を用意してくださるので、深い議論につながり、記事の質も高まっています。

さらに、エンジニアの専門的な表現と営業・マーケティングの「顧客に伝わる見せ方」の感覚にはギャップがありますが、その橋渡しを外部の第三者が担い、記事としてうまくまとめてもらえるのも大きな価値でした。内部だけで進めると調整が難しいテーマでも、安心して任せられる点は非常にありがたいですね。

座談会形式で複数名のテストエンジニア様と議論しながら制作した記事

——コンテンツの品質面での感触はいかがですか?

小西:「ソフトウェアの品質保証(QA)」のように専門性が高いテーマは、外部に依頼しても思うような内容にならず、社内調整も難航して最終的に公開できないということも過去にありました。

その点、グロースソイルさんは領域特有の難しさを理解したうえで丁寧にインタビューを行い、専門家から見ても納得できる記事に仕上げてくれます。結果としてフィードバックもスムーズに進み、「安心して発信できるコンテンツ」を継続的に届けられるようになりました。

また、社内の一次情報をもとに記事をつくってもらっているため、ほかのコンテンツにも転用しやすいと感じています。直近では、複数記事の内容を組み合わせてホワイトペーパー化するような取り組みもしています。作成したホワイトペーパーは広告配信によるリード獲得にも使えるため、ナーチャリングのみならずマーケティング活動全体によい影響が広がっています。

オーガニックの問い合わせ数が前期比2.5倍、受注率は1.5倍に

——ナーチャリングコンテンツの強化に本格的に取り組んでから、商談獲得数にはどんな変化がありましたか?

大久保:商談創出全体において、オーガニックからの引き合いが大きく伸びました。「サービスを検討したい」「見積もりが欲しい」といった強いニーズの問い合わせ数をマーケティング部の重要KPIとしているのですが、前期と比較して約2.5倍まで増加しました。マーケティング活動全体から見ても、費用対効果の高い商談創出源として大きな成果を挙げています。

——ハウスリストからの商談創出数の変化はいかがですか?

小西:ハウスリストからの商談創出はさまざまな要素が絡むため、定量的には断定しづらいのですが、確実に増えています。実際にお客様から「メルマガをいつも見ています」といった声を多くいただけるようになり、コンテンツが接点維持や再商談化に寄与している実感があります。

セールスディベロップメント部 部長 小西 様

——受注率に変化はありましたか?

小西:同じ経路からの商談で比較すると受注率は大きく変わりませんが、オーガニック経由の商談数が増えたことで全体の底上げが進みました。

具体的には、前期は「インバウンド:アウトバウンド=4:6」だった商談創出の比率が、今期は「インバウンド:アウトバウンド=6:4」と逆転。もともと受注率の高いインバウンド商談が増えたことで、全体の受注率は約1.5倍に改善しました。営業をしていて、取り組みやすい商談が増えたと感じています。

——インサイドセールス部門は、制作したコンテンツをどうやって活用していますか?

小西:グロースソイルさんが制作した記事に、営業担当者と直接チャットできるツールを組み合わせ、“問い合わせ前の顧客”にインサイドセールスがアプローチできるように運用しています。記事の内容から想定される顧客ニーズに応じて「やり方は理解できても、自社での実行が難しい場合はぜひご相談ください」といった提案を行い、その場で資料提供や相談につなげています。記事を単なる情報提供で終わらせず、商談化のトリガーとして活用するための取り組みです。

グロースソイルとの協業で完成した記事とツールを組み合わせ、商談化を促進

さらに、日々の営業活動のなかでも記事を積極的に活用しています。例えば、脆弱性診断や自動化の注意点を解説した記事を商談後のフォローやお礼メールに添えることで、顧客にとって実務に役立つ補足情報を届けられるようになりました。接点の質を高めつつ、信頼関係の強化にもつながっていると感じています。

仕組み×コンテンツで目指す、究極のパーソナライズドマーケティング

——今後、注力していきたいことはありますか?

大久保:究極的には、BtoBのマーケティングは今後ますます「自動化」「パーソナライズ化」に進んでいくと考えています。従来は大まかなセグメントで顧客を分けていましたが、1万人の顧客がいれば1万通りのマーケティングを行えるようにすることが理想です。

ただ、細分化するほど運用は複雑化し、必要なコンテンツ量も膨大になります。これを人力で対応するのは現実的ではないため、多くをAIなどのテクノロジーに委ねることが不可欠です。実現には時間がかかりますが、AIによる効率化と人の知見をどう組み合わせるかが今後の大きなテーマだと思います。現在はその土台を少しずつ整備している段階です。

小西:事業としては、現在開発を進めているAIテストツール『TFACT』に注力していきます。現在はβ版を一部のお客様に提供しており、テストステップの自動作成から実行、原因特定、レポート作成までを自動化する機能を搭載しています。すでに品質向上や開発工期の短縮といった効果が出始めており、今後に向けた更なるプロダクト・機能強化を進めています。

2025年9月に正式リリースされたAGESTの新サービス『TFACT(ティファクト)』

これまで「テストは人が時間をかけて行うもの」という認識が根強くありましたが、私たちはAIによってその前提を根本から変えたいと考えています。ただ、この考え方はまだ市場に浸透していません。だからこそマーケティングの力が不可欠であり、AIテストという概念をどう市場に伝えていくかが鍵になります。

来年以降は本格的に市場投入を進めるフェーズに入りますので、営業面も含め大きな挑戦になります。ぜひグロースソイルさんにも引き続きサポートしていただきながら、一緒に市場を切り拓いていければと思っています。

——コンテンツマーケティングを成功させるうえで、最も大切なポイントは何でしょうか?

大久保:まず一番大切なのは、「誰に向けて届けるのか」を明確にすることです。

「この状況にある顧客が、この課題で悩んでいるから、その人にとって役立つ情報を届けたい」という具体的な目的意識を持つことが、コンテンツマーケティングの根幹にあると考えています。

魔法のような必勝法は存在せず、やはり基本に忠実であることが肝心。常に顧客を見据え、有益な情報をブレずに発信し続けることです。

もう一つ重要なのは、「出して終わり」にしないこと。顧客の興味関心や状態に応じて適切なコンテンツを届けていくことで、コンテンツが商談・受注の創出といった実益に寄与していきます。

顧客に寄り添ったコンテンツ作りと、それを適切に届けるシステム。この2つがかみ合ってはじめて、コンテンツマーケティングは真価を発揮できるのだと思います。

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本プロジェクトの担当者

株式会社グロースソイル
代表取締役

髙橋 航平

大学卒業後、新卒で人材系ベンチャー企業のネオキャリアに入社。マーケティング本部にて、新規BtoBメディア事業の立ち上げを経験。 その後、MAの導入活用支援会社に転職し、コンテンツ編集長として自社マーケティングと新規顧客開拓を推進。
2024年1月、株式会社グロースソイルを創業。BtoB企業のナーチャリング課題を解消できる会社づくりに取り組む。