「問題」「課題」「価値」が紐づけばサービスは売れる
2024/12/10
営業活動において、自社サービスの価値を正しく伝え、契約へと繋げることは容易ではない。多くの営業担当者は、自社サービスの価値や他社と異なる点を伝えるものの、あまり良い反応を得られないという悩みを抱えている。
自社サービスの提供価値を正しく伝えるには、「問題」「課題」「価値」を紐づけて話すと良い。本稿では、「問題」「課題」「価値」の関係性と、それらを紐づける流れについて解説する。
多くのビジネスパーソンは「問題」と「課題」を混同している
多くのビジネスパーソンは「問題」と「課題」を混同している。
問題とは、顧客が現在直面している不都合や不満のこと。
『商談獲得コンテンツ制作サービス』を提供している弊社の顧客であれば、このような問題を抱えていることが多い。
Webサイトのユーザー、新規獲得リードは増えてきているが、MQL・商談・受注が増えていない
マーケティングの成果を収益への貢献で示せず、予算縮小を命じられている
すでに契約しているマーケティング支援会社に相談しても、問題解決に至るような回答を得られない
一方、課題とは、問題を解決し、理想的な状態に辿り着くためにやるべきことを指す。上記のような問題を抱えている方であれば、このような課題があると推定できる。
リードインした後、自社サービスの必要性を喚起するためのコンテンツを充実させる
マーケティングの収益貢献を可視化するためのデータ環境を整備する
集客以降のフェーズに造詣が深いマーケティング支援会社の選定する
問題と課題は、必ずしも対ではない。問題が発生している根本原因を特定し、それを解消するための課題を設定することで、発生している数多の問題が一挙に解決することがある。

「問題」「課題」「価値」を紐づける手順
営業活動においては、短い時間で自社サービスの価値を伝える必要がある。そのため、価値を理解してもらうための要点だけを抑え、つないでいく思考が求められる。
ここでは、顧客の「問題」「課題」と自社サービスの「価値」を紐づけるための流れについて解説する。

ステップ1:「問題」を引き出す
はじめに、顧客が抱えている問題を引き出す必要がある。顧客が何の問題を抱えているかという前提を共有できなければ、どの角度から自社サービスを訴求すれば良いか見えてこない。
ただし、顧客に対して「どんな問題を抱えていますか?」と真正面から問いかけても、はっきりとした回答を得られる可能性は低い。その理由は、おおむね以下3つに分類できる。
どんな回答を期待されているのか分からない
問題をそこまで言語化できていない
そもそも答える義理がない
そのため、回答しやすいような問いを投げかけることで、顧客が抱えている問題を引き出す必要がある。私がコンテンツマーケティングについてご相談いただくときは、このような問いかけから会話を始めることが多い。
『弊社は「コンテンツマーケティングに力を入れて集客は形になってきたけれど、MQL・商談・受注まで繋がらない」という問題についてご相談いただくことが多くあります。お客様もこのような問題を抱えていませんか?』
この問いに対し「Yes」と返ってくれば、論点とする問題が確定する。
ステップ2:問題の根本原因を特定する
問題を確定したら、次に根本原因を特定する。根本原因を特定するには、問題の周辺情報を拾い集める拾い集める必要がある。
「コンテンツマーケティングに力を入れて集客は形になってきたけれど、MQL・商談・受注まで繋がらない」
という問題を抱えている方には、以下のような問いを投げかけ、根本原因の在処を探る。
集客施策とは、どのようなものを実施していますか?
集客施策を実施してきた感触はどうですか?
MQL・商談・受注に転換していかない原因として、何か思い浮かぶものはありますか?
購買ステージはどのように設計していますか?
MQLとしてISに提供したリードは、漏れなくフォローしてもらえていますか?
MQLを定義するとき、どのようにIS・FSと合意形成しましたか?
集客以降のフェーズを意識したコンテンツはどのようなものがありますか?
MAのシナリオメールで送付するコンテンツは十分ありますか?
シナリオメール経由でMQL・商談・受注は発生していますか?
このように、特定の問題が発生している背景にある事象を様々な角度から聞いていくことで、問題が発生している根本原因を特定できる。弊社の場合、根本原因はこのような結論に至ることが多い。
IS・FSと合意せず購買ステージ、MQLを定義しており、商談に繋げるための連携ができる状態にない
集客用のコンテンツはあっても関係構築用のコンテンツがなく、ナーチャリングが成立していない
自社のコンテンツがそれぞれ何の役割を持っているのか定義できておらず、道に迷いながらコンテンツマーケティングを推進している
ステップ3:「課題」を示す
問題の根本原因と課題は表裏一体。根本原因を解消するような課題を示せれば、顧客は前のめりに話を聴くようになる。弊社の場合、根本課題に対して以下のような課題を示すことが多い。
根本原因 | 課題 |
IS・FSと合意したうえで購買ステージ、MQLを定義しており、商談に繋げるための連携ができる状態にない | 顧客行動を軸に購買ステージを再設計し、IS・FSと合意したうえでMA/CRMに実装する |
集客用のコンテンツはあっても関係構築用のコンテンツがなく、ナーチャリングが成立していない | 自社のナレッジや事例をまとめた独自のコンテンツを制作する |
自社のコンテンツがそれぞれ何の役割を持っているのか定義できておらず、道に迷いながらコンテンツマーケティングを推進している | 訴求サービス、顧客セグメント、顧客課題でコンテンツをラベリングできる管理体制を作る |
顧客課題を示し、顧客が納得すると、サービスの提供価値が理解される準備が整う。
ステップ4:「価値」を伝える
顧客課題について合意できたら、その課題を解消する一つの手段として自社サービスを訴求する。サービス訴求は以下の流れで進めると伝わりやすい。
サービスの説明(ひとこと)
提供価値の訴求(ひとこと)
サービスの説明(詳細)
提供価値の再訴求(ひとこと)
弊社の場合、このような内容になる。
サービスの説明(ひとこと)
弊社は、”商談を生み出すBtoBコンテンツ”を制作しています。
提供価値の訴求(ひとこと)
BtoB企業が抱えている「集客はできても商談化しない」という問題を、コンテンツ制作を通じて解消します。
サービスの説明(詳細)
(長くなるので割愛するが、説明内容は以下のポスターの通り)

提供価値の再訴求(ひとこと)
弊社はBtoB企業の商談創出をサポートできます。
これまで解説した通り、
「問題」を引き出す
問題の根本原因を特定する
「課題」を示す
「価値」を伝える
という流れを辿ることで、自社サービスの価値が伝わるようになる。
"聴く"からはじめる
自社サービスの価値を理解してもらえるようになるためには、「”聴く”からはじめること」が何より重要だ。焦ってサービス説明から入っても、問題・課題の合意をできていない状態では話を聞き入れてもらえない。前提条件をすり合わせたうえで説明するからこそ、サービスの価値は理解される。
営業活動に限らず、あらゆるコミュニケーションは”聴く”からはじめると円滑に回る。聴くからこそ、聴いてもらえるのだ。
この記事の執筆者
株式会社グロースソイル
代表取締役
髙橋 航平
Adobe Marketo Engageの導入支援会社にてコンテンツ編集長を務めたのち、2024年に株式会社グロースソイルを創業。
ナーチャリングに特化して、マーケティング支援サービスを展開。独自のナーチャリングモデル『アクションナーチャリング』をもとに、BtoB企業に顧客指向のナーチャリングを実装している。


