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人を動かす企画書のつくり方

人を動かす企画書のつくり方

2024/05/08

コンテンツマーケティングでは、自社が持つナレッジを発信し、顧客に届けることで商談機会の獲得につなげていく。そして、発信するナレッジが顧客にとって価値があるものであればあるほど、その量が多ければ多いほど成果につながりやすくなる。

ナレッジの質と量を高めるには、多くの人を巻き込んでコンテンツを生み出すことが必要だ。しかし、コンテンツマーケターは企画をするうえでこんな問題に直面することが多い。

「企画をつくっても、周囲の協力をなかなか得られない」

本記事では、コンテンツ企画における「周囲の協力を得られない」問題を解決する方法を解説する。

コンテンツマーケターのはじめの仕事は「みんなに好かれること」

自分一人で生み出せるコンテンツはごく限られている。量的に不十分なだけでなく、テーマや質の面でも早々に頭打ちになる。

良いコンテンツを生み出し続けるには、他者の協力が要る。社内外問わず、多くの人の協力を得られるマーケターが高い成果を生み出していく。

コンテンツマーケターのはじめの仕事は「みんなに好かれること」だ。

大前提、人として好かれているからこそ協力を得られる。関係性を構築できていないまま、「仕事なんだから」「そちらにもメリットがあるから」と協力を要請しても人は動かない。「人は好きな人のためにだけ動く」ということを念頭に置いておく必要がある。

D・カーネギーは著書『人を動かす』のなかでこう記している。


何の働きもせずに生きていける動物は、犬だけだ。鶏は卵を産み、牛は乳を出し、カナリヤは歌を歌わねばならないが、犬はただ愛情を人に授けるだけで生きていける。

(中略)

(愛犬の)ティピーは心理学の本を読んだことがなく、また、その必要もなかった。相手の関心を引こうとするよりも、相手に純粋な関心を寄せるほうが、はるかに多くの知己が得られるということを、ティピーは不思議な本能から知っていたのである。

繰り返して言うが、友を得るには、相手の関心を引こうとするよりも、相手に純粋な関心を寄せることだ。ところが、世の中には、他人の関心を引くために、見当違いな努力を続け、その誤りに気づかない人がたくさんいる。

引用:人を動かす|創元社 著:D・カーネギー p72,73


コンテンツ発信が重要であることは、現代のビジネスパーソンであればある程度理解している。しかし、皆それぞれ自分の仕事があり、必ずしも時間と気力に余裕があるとは限らない。そんななか、「重要だが緊急ではない」コンテンツ発信への取り組みは、優先度を下げられやすい位置にある。

そんな状況下でも時間を割いてもらうには、依頼者自身が好かれていることが重要だ。「あなたのお願いだから時間つくるよ」と思ってもらえることこそが、重い腰を上げる理由になる。

人を動かす企画書の要点

「みんなに好かれている」という前提があったうえで、企画を練り込んでいく。企画は頭のなかではなく、書面に落とし込むことが重要だ。テキストで企画を具体化することで、同じ絵を見て思考できる。

ここでは、人を動かす企画書の要点を3つ解説する。

Why you nowを明確にする

「Why you now(なぜ今、なぜあなたなのか)」とは、Inside Sales Plusを運営する茂野氏(@insidesales_job)が多用している言葉だ。主に、インサイドセールスとして顧客にアプローチする場面を想定して使われている。

Why you nowは、企画を伝えて協力を得るうえでも重要な視点である。Why you nowを正確に伝えるために、以下のような観点で詳細を詰めておくと良い。


Why you

  • あなたは○○な経験・知識を持っている(具体的な事例を挙げられるとより良い)

  • あなたの○○に対する知見に注目が集まっている

Why now

  • 顧客から○○な要望を寄せられている

  • ○○に対する市場の注目度が高まっている

  • 競合企業が○○に関する発信を強化しようとしている動きがある


Why you nowが明確になった企画の依頼は、受ける側としても気持ちがいいものだ。依頼時に気持ちがいいと感じてもらえるかどうかは、その後の進行やアウトプットの質に直結する。

協力することで相手が得られるメリットを伝える

他者に何かを依頼するときは、必ず「協力することで相手が得られるメリット」もあわせて伝えよう。協力を依頼するときは、以下のようなメリットを伝えると良い。

  • 暗黙知化されている知見を形式知へと昇華できる

  • 依頼を受ける人自身の業務にも好影響がある

  • スキルアップにつながり、キャリアの幅が広がる

  • お客様やほかの社員からの信頼につながる

  • 市場や社内における認知度が向上する

上記の切り口から相手が得られるメリットを言語化して伝えられると、相手が迷っているときに背中を押せるだろう。

役割分担とスケジュールを明確にする

提案された企画の意義、協力するメリットについて理解を得られたからといって、必ずしも承諾を得られるとは限らない。その企画をどのように実現するのかをイメージできないと、承諾するのにも不安が付きまとうからだ。

コンテンツを企画し、公開して顧客に届けるまでに、一般的には以下のようなプロセスを辿る。


記事の場合

  • 企画書作成

  • 企画の合意形成

  • 骨子作成

  • 骨子の合意形成

  • 原稿作成

  • 編集

  • 校了

  • ページ作成

  • ページ確認

  • 公開

  • 告知

ホワイトペーパーの場合

  • 企画書作成

  • 企画の合意形成

  • スライド骨子作成

  • スライド骨子の合意形成

  • スライド作成

  • スライド編集

  • 校了

  • ページ作成

  • ページ確認

  • 公開

  • 告知

ウェビナーの場合

  • 企画書作成

  • 企画の合意形成

  • ページ原稿作成

  • 校了

  • ページ作成

  • ページ確認

  • 公開

  • 各種集客施策実施

  • スライド骨子作成

  • スライド骨子の合意形成

  • スライド作成

  • スライド編集

  • スライド承認

  • ウェビナー開催

  • ウェビナー事後対応

  • インサイドフォロー

  • 商談


上記のように、コンテンツ形式ごとに業務プロセスを洗い出し、誰がどのタスクを担当し、いつまでに対応するのかをWBS(Work Breakdown Structure)に落とし込む。そうすることで企画の実現までのイメージを明確化でき、相手は安心して承諾しやすくなる。

人を動かす企画書フォーマット

上記の要素を押さえた企画書をつくるには、相応の時間と労力を要するように感じられてしまうかもしれない。しかし、企画書を型化して運用が定着してくれば、企画書作成は30分~1時間程度で済むようになる。達人の域に達すると、10分で作成できるそうだ。

参考:企画書は10分で書きなさい|方丈社 著:上阪 徹

企画書のフォーマットは、以下の要素をできるだけ手短にまとめられるよう磨き込むと良い。


  • 企画の目的

    自社目線

    顧客目線

  • ターゲットの情報

    ターゲットの属性

    ターゲットが抱えている課題

  • メインテーマ

  • おおよその構成

  • 目標

  • 集客チャネル

  • 公開・開催までのスケジュール


グロースソイルでは、記事・ホワイトペーパー・ウェビナーに分けて企画書のフォーマットを公開している。Googleドキュメントをコピーし、自社の運用にあわせてカスタマイズして使ってもらえれば幸いだ。

記事コンテンツ企画書&原稿テンプレート

ホワイトペーパー企画書&原稿テンプレート

ウェビナー企画書&原稿テンプレート

他者を慮ることから企画は動き出す

コンテンツの企画は顧客のためにおこなうものである。また、関係者の協力を得られなければ、良質なコンテンツを継続的に生み出すことはできない。良質なコンテンツを継続的に生み出して事業成長へとつなげていくには、他者を慮る(おもんぱかる)姿勢が求められる。

「人は理屈だけでは動かない」ということを念頭に置き、気持ちよく人が動けるような振る舞いをすることこそが、コンテンツマーケターの仕事とも言えるかもしれない。

この記事の執筆者

株式会社グロースソイル
代表取締役

髙橋 航平

Adobe Marketo Engageの導入支援会社にてコンテンツ編集長を務めたのち、2024年に株式会社グロースソイルを創業。
ナーチャリングに特化して、マーケティング支援サービスを展開。独自のナーチャリングモデル『アクションナーチャリング』をもとに、BtoB企業に顧客指向のナーチャリングを実装している。