トップ

/

コラム一覧

/

ナーチャリングに活用できる主要ツール13選|MA・CRM・企業情報データベースの選び方

ナーチャリングに活用できる主要ツール13選|MA・CRM・企業情報データベースの選び方

公開日:

2026/10/02

更新日:

2026/10/16

「ナーチャリングを強化したいが、どんなツールを使って環境を作ればいいのかわからない」
「レベニュー部門全体で最適なオペレーションを組むには、どんなツール構成にして、どう設計すればいいのかを知りたい」

BtoBのマーケティングや営業の体制を整えようとすると、ツール選定の段階でこうした問いに直面します。個々のツールの機能比較は情報が豊富にある一方で、どのツールをどう組み合わせて環境を作るかという構成の話は、まとまったかたちで語られる機会が多くないからです。

ナーチャリングに使うツールは、顧客データと施策の基盤となるMA/CRM、顧客データを強化する企業情報データベース、特定の場面での取りこぼしを減らすポイントソリューションの大きく3種類に分けられます。
それぞれ役割が異なるため、自社が今どこでつまずいているかによって、導入を検討すべきタイミングは変わります。

本記事では、3つのツール群がそれぞれ何のために必要なのかを整理したうえで、主要な13ツールの特徴と選び方、そして導入時に陥りやすい失敗を解説します。

ナーチャリング無料相談に申し込む

ナーチャリング活動を助ける、3つのツール群の役割と目的

ナーチャリングに関わるツールは、大きく「顧客データ・施策基盤(MA/CRM)」と「データ強化系(企業情報データベース)」、「その他(ポイントソリューション)」に分けられます。

まずは、それぞれのツールの用途や目的を解説します。

ナーチャリング活動の根幹となる「顧客データ・施策基盤系(MA/CRM)ツール」

MA/CRMは、リード情報と商談情報の一元管理、および施策実行の自動化を担うツールです。

これらを導入する主な目的は、以下の2点に集約されます。

顧客の属性・興味関心に応じてカスタマイズしたコミュニケーションを実現する

MA/CRMは、リードの属性・行動と、商談・受注の履歴を1か所に集約する基盤です。

基盤が整うと、顧客一人ひとりが今どの検討段階にいるかを踏まえて、次に届けるべき情報を判断できるようになります。

 メール配信、セミナー招待、営業からの連絡、既存顧客へのフォロー。顧客との接点は手段も担当部門も異なりますが、同じ顧客データを参照して動くことで、企業として一貫したコミュニケーションを設計できます。

スプレッドシートでの管理では、誰にどこまで接触したかが担当者ごとに分断され、同じ顧客への重複連絡や、検討が進んだ顧客の放置が発生しがちです。MA/CRMに顧客データを集約すれば、部門をまたいだ分断を防ぎながら、一度設計した仕組みが動き続ける状態を作れます。

施策を一度限りの「使い捨て」にせず、資産として積み上げていけることが、MA/CRMを導入する最大の意義だといえます。

データに基づいた合理的な判断を可能にする

マーケティング活動はやってみないとどの程度の成果が出るかの予測が立てにくい側面があります。加えて、結果がわかるまでの期間が長く、改善サイクルが緩やかに進みます。

そのため、1つひとつの意思決定がデータに基づいた、合理的な判断によるものである必要があります。データなしで感覚的に意思決定し、よくなるのか悪くなるのか半年後に分かる、ということを繰り返していても成果は伸び悩んでしまうでしょう。

MA/CRMはリードの属性・行動情報、および商談・受注の情報が蓄積されるため、どの施策がどの程度収益に影響したかを可視化できます。

そのデータをもとに思考することで、意思決定の精度を上げ、ひいては成果を上げていくことができます。

データドリブンな意思決定と施策実行を支える「データ強化系(企業情報データベース)」

MA/CRMツールを導入しても、データがなければセグメンテーション施策は実行できません。

たとえば業種でセグメントしてシナリオを分岐させようとしても、業種のデータを保持していなければ、全体配信に戻すしかないでしょう。

企業情報データベースを付与することで、ナーチャリング活動にはこのような変化が起こります。

  • これまで取得してきたリードに法人データが付与され、セグメント施策を実行できるようになる

  • 企業情報が名寄せされ、同じ会社のリードとして認識できていなかったリードを同じ会社のリードとして認識できるようになる

  • 名寄せされることで、企業ごとの商談・収益創出状況がわかり、どの顧客が注力してアプローチすべき対象かわかる

このように、自社の状況を正しく認識すること、顧客の置かれた状況に合わせて施策を最適化していくことを目指すのであれば、企業情報データの付与が必要になるタイミングが出てきます。

その他のポイントソリューション

ナーチャリングツールとしての主要どころはMA/CRMと企業情報データベースですが、ほかにもより成果を高めるためのツールはあります。

例えば、Webサイトを訪れた人を商談へ誘導する、あるいは資料に関心を持ってくれた人を確実にキャッチするといった、部分的な成果改善を目指すものです。

ナーチャリングに取り組み始める初期の段階で検討する必要はないものの、より高い成果を生み出したいという改善フェーズに入った時に役立つでしょう。

顧客データ・施策基盤(MA/CRM)ツール9選

ここからは、具体的なツールをカテゴリごとに紹介します。
まずは、リード情報と商談情報を一元管理し、その上で施策の実行と効果の可視化を担う、ナーチャリングの土台となるツール群です。ここが整っていないと、後述するデータ強化もポイントソリューションも機能しません。

HubSpot

HubSpotは、CRM・SFA・MA・CMSが一元化された米国発のプラットフォームです。リードの獲得から育成、営業への連携までを一気通貫で管理できる点が特徴です。

HubSpotの最大の強みは、無料CRMを基盤としたデータ活用の自由度の高さにあります。顧客ステータスや契約状況、Webページの遷移データなどをCRMに一元蓄積できるため、条件の組み方を細かく設定でき、精緻な施策実行が可能です。また、BtoBマーケティングに必要な機能が網羅されており、まずはシンプルなメール配信から始められるスタータープランも用意されているため、自社の成長フェーズに合わせた導入が可能です。 

【注意点】

プラン構成が複雑なため、当初の予算を上回りやすい傾向があります。プランによってはメール配信通数に上限があり、イベント等で配信量が増える際は注意が必要です。また、高機能ゆえに管理画面が複雑に感じることもあるため、導入時は「本当に自社に必要な機能は何か」を切り分け、精査することをおすすめします。

【こんな企業におすすめ】

あらゆる事業者が選択肢に入れてよいツールですが、ログイン状況やWeb上の行動データを基幹データと連携させ、解約の兆しを検知するなど、オンライン上の動きに応じたアクションが取りやすいため、特にSaaS事業者に最適です。

HubSpot導入・再設計支援サービス

HubSpot運用代行サービス

ferret MA

ferret MAは、株式会社ベーシックが提供する国産のBtoBマーケティング/セールスプラットフォームです。

大きな特徴として、シンプルさと低価格であることが挙げられます。管理画面は日本のビジネスパーソンがなじみやすい設計で、ステップ形式で組めるシナリオやスコアリング、ホットリード検知など、ナーチャリングに必要な機能を複雑な設定なしに使い始められます。MAは月額8万円で全機能を利用できる料金体系が示されており、海外製MAと比べてコストを抑えやすい点も魅力です。

さらに、データの充実度も強みです。2026年10月からは、リードのコンバージョン時や企業情報の登録時に、業種・従業員規模・売上規模・資本金・上場市場といった企業情報に加え、企業の動きを捉えるインテントデータが自動で付与されるようになりました。企業情報データベースを別途契約しなくても、業種や規模によるセグメント施策に取り組みやすい構成です。

【注意点】

後発のMA/SFA/CRMツールとして近年生まれたもののため、HubSpotやSalesforce Account Engagementなどの海外ツールと比べるとユースケースが少ない点には注意が必要です。ferret MAの利用経験者を新たに採用したり業務委託で招き入れたりするよりも、自社で一から使い方を覚えていくものとして捉えるのがおすすめです。

【こんな企業におすすめ】

マーケティング担当者が少なく、ツールの習熟に時間をかけられない中小・中堅企業や、海外製MAのコストや複雑さに負担を感じている企業におすすめです。CMSからMA/SFA/CRMまでワンプラットフォームで完結できるため、マーケティングと営業の業務基盤を一本化したい企業とは相性が良いでしょう。

Salesforce Account Engagement

Account Engagementは、CRM/SFAで世界的なシェアを持つSalesforceが提供する、BtoBビジネスに特化したMAツールです。

最大の利点は、SalesforceのインターフェースのなかにMAが組み込まれていることです。CRMに蓄積したデータをそのまま活用できるため、ツールをまたがずに運用できます。プラットフォームを統一したい企業にとって導入メリットは大きく、特に「Salesforceのキャンペーン機能の使いやすさ」は導入企業からも高く評価されています。

【注意点】

機能に対して価格は高水準です。他社ツールで月数万円の予算で実現できることが、その数倍のコストになるケースも珍しくありません。また、Pardotからの名称変更以降も基本的な設計思想は変わっておらず、最新機能の追加ペースを重視する企業には物足りなく映る場合があります。

また、トラッキングとメール配信以外の操作には癖があります。たとえばフォーム設置時には「フォームハンドラー」という独自の仕組みを理解する必要があり、習熟に時間がかかる点は留意が必要です。

【こんな企業におすすめ】

すでに営業基盤としてSalesforceを導入しており、複数ツールの学習コストを抑えたい企業では、まず候補に入るツールです。単一のプラットフォーム内で完結できるうえ、「SalesforceとAccount Engagementの両方を扱える」構築会社が多いため、構築をまとめて外部に任せたい場合に選択肢が広がります。

Salesforce再設計支援サービス

Salesforce運用代行サービス

Adobe Marketo Engage

Adobe Marketo Engageは、Adobeが提供するMAツールで、全世界で5,000社以上の導入実績を誇ります。

最大の強みは、設計の自由度の高さにあります。「Marketoで実現できないなら、他のツールでも難しい」と言われるほど、自社がやりたい施策を柔軟に形にすることが可能です。MicrosoftやSalesforceとの連携にも優れており、リード情報と商談情報を切り分けて連携できる点も特徴です。

また、活発なユーザーコミュニティも魅力の一つです。大手企業の先進的なマーケターが集まる知見交換の場として非常に高い価値を持っています。

【注意点】

操作画面がややクラシックで、直感的な操作が難しいという声が少なくありません。

また、カスタマイズの自由度が高すぎるがゆえに、設定が複雑化しやすく、運用が属人化しやすい傾向があります。結果として、「作成者しか仕様がわからない仕組み」が社内に残り、技術的な負債になってしまうリスクもあります。扱える人材が限られるため、担当者の退職時に引き継ぎが困難になる点や、経験者の採用が難しい点も想定しておく必要があります。

【こんな企業におすすめ】

すでにMicrosoft 365を全社導入しているエンタープライズ企業では、実質的に最有力な選択肢となります。また、ツールの制約に縛られずに高度なマーケティングを設計したい企業や、社内にすでにMarketoの運用経験者がいるチームにもおすすめです。

Adobe Marketo Engage運用代行サービス

Adobe Marketo Engage再設計支援サービス

Zoho(ゾーホー)

Zohoは、インド発のグローバルIT企業「Zoho Corporation」が提供するクラウド型業務アプリ群です。同社によれば、世界75,000社以上・1億5,000万人以上に利用されています。

料金を抑えながら、機能が充実している点が最大の特徴です。本格的なMAでも比較的低価格から使えるうえ、CRMやLP作成、フォーム、BI、アンケート、さらにはウェビナーの配信までを幅広くカバーしています。特にウェビナーは、録画した内容を指定の日時に自動配信することもでき、専用ツールを別途契約せずに済むケースもあります。

こうした低価格を実現できる背景には、「特定のツールで大きく稼ぐのではなく、企業のなかに薄く長く入り込む」という同社の思想があります。

【注意点】

情報発信が活発ではないため、日本語の導入事例やノウハウが見つけにくいという難点があります。運用でつまずいたときに、参考にできる情報や相談できる人が限られる点は想定しておく必要があります。

また、Zoho CampaignsとZoho Marketing Automationのように、機能が重複するサービスが併存しています。フォームの作成やメール配信をどのサービスで行うべきか、判断が難しい場面が出てきます。

【こんな企業におすすめ】

とにかく価格を抑えたい企業や、「あれもこれも使えたら便利」とマーケティング関連の機能を幅広く活用したい企業と相性のよいツールです。一定の知識と自走力は求められますが、コストパフォーマンスを重視するなら有力な選択肢です。

BowNow

BowNowは、クラウドサーカス株式会社が提供する国産のMAツールです。2016年のリリース以来、中小企業やベンチャー企業を中心に10,000社以上で導入されています。

料金が低めで、操作性も分かりやすく、最低限のマーケティング機能が整っています。同社は「設定ゼロで始められる」ことを打ち出しており、これから体制を整えていく企業でも導入のハードルが低いツールです。

【注意点】

連携できるCRMや顧客管理の範囲に限界があり、やりたいことが広がった段階で、機能の範囲に収まらなくなる場面が出てきます。サポート体制は充実しているものの、一部が有料オプションとなるケースもあるため、トータルコストは想定より膨らむ可能性があります。

機能の水準としては、メール配信ツールと本格的なMAの中間に位置するツールと捉えると、実態に近いといえます。

【こんな企業におすすめ】

まずは小さく始めたい企業や、国産ツールで日本語の手厚いサポートを重視したい企業にとって、有力な選択肢となります。

楽楽メールマーケティング(旧:配配メール)

楽楽メールマーケティングは、株式会社ラクスが提供するメールマーケティングサービスです。一斉配信からステップメール、セグメント配信といった個別配信まで対応する利便性を評価され、累計導入社数は10,000社を超えています。

特筆すべきは操作性です。今回紹介するツールのなかでも群を抜いて直感的であり、初めて触れる担当者でも迷いにくい設計になっています。初期設定も1日かからずに完了します。プランがメール配信のみのものと、MA機能を含むものに分かれており、自社に必要な範囲を選びやすい点も利点です。

【注意点】

メール配信を軸に発展してきたツールであるため、複雑な分岐を含むシナリオ設計や、高度な行動データの活用を前提とする場合には、機能面で物足りなさを感じる可能性があります。

【こんな企業におすすめ】

すぐに運用を始めたい企業や、シンプルなツールを求めている企業におすすめです。まずはメールを起点に運用を整えたい場合や、本格的なMAを導入する前段階のスモールステップとしても有効な選択肢です。

Pipedrive

Pipedriveは、エストニアで開発された営業パイプライン管理に強いCRM/SFAです。同社によれば、179カ国・100,000社以上が利用しています。

商談をカンバン方式で視覚的に管理できること、ドラッグ&ドロップで直感的に操作できるのが特徴で、外部サービスとのデータ連携の強さも魅力の一つです。

ナーチャリングの文脈においては、育成したリードを商談として引き継いだ後、どの段階で停滞しているのかを可視化する役割を担います。

【注意点】

営業支援を主眼としたツールであり、MAとしての機能は限定的です。メール配信やシナリオ設計を本格的に行いたい場合は、MAツールとの併用が前提になります。

【こんな企業におすすめ】

提案から交渉、受注に至るまでの営業プロセスが十分に整理できていない組織に向いています。特に中小・中堅のBtoB企業で、商談の停滞や失注の理由が見えずに困っているチームと相性のよいツールです。

SHANON(シャノンマーケティングプラットフォーム)

SHANONは、国産MAとして長い歴史を持つツールです。

最大の特徴は、MA機能と展示会・セミナーの運用機能が一体化している点にあります。開催前の案内状の送付から、事前申込フォームの作成、当日の来場者認証(QRコード受付)、アンケート回収、その後のフォローアップメールまでを、一つのプラットフォーム上で一気通貫に管理できます。

オフラインの接点で取得した名刺や参加者情報を、そのままMAのデータベースに蓄積できる構成のため、展示会で獲得したリードをナーチャリングにつなげやすいのが強みです。展示会後のリードが数回の架電で眠ってしまう、という課題を持つ企業にとっては、有力な選択肢になります。

【注意点】

イベント運用との連動が強みであるため、展示会やセミナーをあまり実施しない企業にとっては、機能が過剰になってしまう可能性があります。

【こんな企業におすすめ】

展示会・セミナー・ウェビナーの実施回数が多く、イベント起点のリード獲得とその後のナーチャリングをシームレスにつなぎたいBtoB企業におすすめです。オンラインのリードだけでなく、オフラインの接点も重視する事業と非常に相性のよいツールです。

データ強化系(企業情報データベース)2選

MA/CRMに蓄積した顧客データに、名寄せ・属性付与・企業情報の付加を行い、セグメントや優先順位づけの精度を上げるツール群です。基盤そのものではなく、基盤に載るデータを強化する位置づけになります。

Sansan Data Hub

Sansan Data Hubは、名刺データを起点に顧客データの統合・名寄せを進められるツールです。

最大の強みは、人の異動履歴を継続的に蓄積している点にあります。Sansanは名刺管理を通じて、担当者がいつどこへ異動したかというデータを持ち続けています。そのため「組織図のなかで、今どこまで接点をつくれていて、どこが空白なのか」を把握できます。

企業単位の情報を持ちつつ、個人の所属部署や肩書きまで分かるため、グロースソイルとしては、ABM(アカウントベースドマーケティング)を進めるうえで最も相性のよいツールだと考えています。同社によれば、複数の情報を組み合わせた高度な名寄せや、100種類以上の属性付与、SalesforceやHubSpotなどとの連携にも対応しています。

【注意点】

データの付与や整備そのものに一定のコストがかかります。保有するリードがまだ少ない段階では、投資に見合う効果が出にくいため、導入のタイミングは慎重に見極めてください。

【こんな企業におすすめ】

「同じ会社がSFA/CRM/MAに重複して登録されている」「表記揺れで集計やダッシュボードがずれる」「異動や就任が最新データに反映されない」といった課題を抱えている企業であれば投資に見合った効果を得られやすいでしょう。MA/CRMの上流に置くデータ整備のレイヤーとして、ABMに使える顧客データ基盤を整えられます。

uSonar(ユーソナー)

uSonarは、国内最大級の法人企業データベース「LBC」を搭載し、親子会社や拠点まで含めてアカウントを把握できるツールです。

今回紹介するなかでは、もっともデータ保有量が多いのが特徴です。国内拠点の網羅率は99.7%で、1,250万拠点規模のデータを保有しています。与信・コンプライアンスチェックや、未開拓のホワイトスペースの把握にも活用できます。

【注意点】

網羅性の高さは、必ずしもすべての企業にとって利点になるわけではありません。「従業員100名以上の企業しかターゲットにしない」といったように対象が明確に絞られている場合、小規模な事業者まで含む膨大なデータはオーバースペックになる可能性があります。

【こんな企業におすすめ】

ターゲット企業が全国にどれだけ拠点を持っているか分からない、取引先候補を網羅的に把握したい、取引の安全性チェックまで含めてデータで管理したい企業に向いています。顧客層が広く、対象を絞り切らない事業で特に強みを発揮します。

その他(ポイントソリューション)2選

MA/CRMと企業情報データベースを補完し、特定の場面での取りこぼしを減らすためのツール群です。

OPTEMO(オプテモ)

OPTEMOは、Webサイトに訪問した人の行動をリアルタイムに可視化し、チャットや音声通話でその場で会話できるツールです。「今、営業担当が待機しています」といった形で表示し、フォーム入力の前に会話を始められます。

OPTEMOを活用すれば、顧客がまさにブログを読んでいる最中に「もっと詳しく知りたい」と疑問を抱いたタイミングを捉え、自然な形で会話を始めることができます。

【注意点】

有人での対応が前提となるため、担当者が待機できる体制を整えられるかどうかが導入の前提になります。誰も対応できない時間帯が続けば、機会損失を防ぐという本来の効果は得られません。

【こんな企業におすすめ】

LPや製品ページの途中離脱が多い、コンテンツを読んでいる最中の「気になる」を取りこぼしたくない、広告費を投下しているWebサイトのCVRを高めたい企業におすすめです。MAでメールを届けているものの、そこからの初動が遅いと感じているBtoB企業とは特に相性がよいでしょう。

immedio(イメディオ)

immedioは、インバウンド商談の獲得を自動化するツールです。

フォーム送信直後のサンクスページに日程調整のポップアップを表示し、その場で商談を確定させる機能が特徴的で、フォームの入力内容に応じて商談化の可否を判定したり、担当者を自動で振り分けたりすることもできます。タグを1行設置するだけで、HubSpotやMarketo、Pardotなど主要なフォームと連携可能です。

ナーチャリングの観点で注目したいのは、資料・動画の閲覧をトラッキングする「immedio Box」です。MAでは「資料をダウンロードした」「リンクをクリックした」までは分かりますが、「どのページを、どれくらい見たか」までは可視化できません。immedio Boxを使うと、資料をダウンロードした人の熱量の高さや、関心の所在を判別できます。

「このページをよく見ているから、ここに関心があるのだろう。では商談ではここを中心に議論しよう」といった形で、商談の設計に活かせます。

【注意点】

リードを商談に引き上げる場面で機能するツールであるため、そもそも届けるコンテンツやリードの蓄積がない段階で導入しても、効果は限定的です。MA/CRMによる土台が整っていることが前提になります。

【こんな企業におすすめ】

資料をダウンロードした人のうち、誰を優先して追うべきか判断できていない企業や、問い合わせ後の初動が担当者ごとにばらついている企業におすすめです。すでにMAでコンテンツを届けているものの、そこから商談化までの導線がつながっていないと感じるBtoB企業と、特に相性がよいツールです。

ナーチャリングのツール導入でよくある失敗

ツールを選び終えても、導入プロジェクトでつまずけば、選定にかけた時間は成果につながりません。

ナーチャリングに関するツールは導入プロジェクトにも半年程度の期間と相応のエネルギーを要するうえ、一度導入すると5年程度使用することになります。そのため、失敗が後の事業運営に尾を引くことが多く、「いかに失敗を避けるか」が重要です。

目的やツール構成、データフローが曖昧なまま導入する

「どのようなナーチャリング活動を行いたいか」という目的や運用イメージが定まらないままMA/CRMツールを導入しても、ツールを最大限に活用することはできません。

構築を外部のシステム開発会社に任せるケースも多く見られますが、システム構築会社の専門領域はあくまでシステムの構築であり、マーケティングの目的や活用方針まで一緒に設計してくれるとは限らない点には注意が必要です。

また、意図したマーケティング/セールス活動を実行するには1st Partyデータだけでは不足がある場合もあります。そのような場合、企業情報データベースを連携させてデータをリッチにする、といったことも求められます。

自社のマーケティング戦略を主導するのはあくまで自社である、という認識を持つことが成功のカギといえるでしょう。

そもそも導入するフェーズにないのに入れてしまう

リード(見込み客)がまだ十分に蓄積されていない段階で、焦ってMA/CRMツールを導入してしまうケースも見られます。

リード・商談件数や営業担当者が少なく、スプレッドシート等で十分に管理できる規模であれば、高機能・高価格なツールを導入しても持て余してしまう可能性が高くなります。

ナーチャリング基盤となるツールは「整備しないと活動がままならない」という状態に達するもしくは達する前あたりで導入するのがベストタイミングと考えています。

分岐やスコアリングを作り込みすぎて運用負荷が効果を上回る

導入後に多く見られるのが、複雑なシナリオ分岐やスコアリングを作り込みすぎた結果、運用が立ち行かなくなるケースです。

MA/CRMは運用するなかで徐々に複雑化していくのは避けられず、そうなっても耐えられるようベースルールはシンプルにしておく必要があります。

シンプルにすることは複雑にすることよりも困難であり、高い経験値が求められます。そうした人・会社を巻き込んで導入プロジェクトを進めることも、ナーチャリングツール導入成功のカギとなります。

ツールは勝因にはならないが、敗因を防げる

ツールを導入しただけで、自動的に成果が出るわけではありません。しかし、必要なツールが揃っていないと、無駄な工数が発生したり、施策の効果を正しく把握できずに改善が停滞したりと、大きな機会損失を招きます。

ツールは何もないところから成果を生み出す魔法ではなく、活動を拡大した際に生じる管理不全というマイナスを解消するためのテクノロジーです。だからこそ、「なんとなく導入する」のではなく、「自社のどの課題を解決するために導入するのか」という目的意識を明確にすることが重要です。

もし社内だけでツール活用や戦略の整理が難しい場合は、特定のベンダーに依存しないマーケティング支援会社へ相談するのも一つの手です。


グロースソイルでは、ナーチャリングの戦略設計から、MA/CRMの選定・構築・運用、データ基盤の整備、コンテンツ制作までを一貫してご支援しています。ツール導入や運用でお悩みの際は、お気軽にご相談ください。

ナーチャリング無料相談に申し込む

この記事の執筆者

株式会社グロースソイル
代表取締役

髙橋 航平

Adobe Marketo Engageの導入支援会社にてコンテンツ編集長を務めたのち、2024年に株式会社グロースソイルを創業。
ナーチャリングに特化して、マーケティング支援サービスを展開。独自のナーチャリングモデル『アクションナーチャリング』をもとに、BtoB企業に顧客志向のナーチャリングを実装している。