「ノウハウ流出が怖いから出せない」を突破するには
2024/09/11
コンテンツマーケティングへの取り組みを始めるとき、決まって生じる反発がある。
「自社のノウハウが流出するのが怖い」
事業部がノウハウ流出を恐れるのは自然の摂理と言える。他社にないノウハウを持っていることが、競争優位性になっていることもあるだろう。
しかし、BtoBマーケティングで高い成果を挙げるには、自社のノウハウを込めたコンテンツの公開が必要不可欠である。コンテンツに込めるノウハウを絞っても成果を挙げられるほど、現代のマーケティング競争環境は甘くない。
本記事では、事業部から挙がることが多いノウハウ流出の懸念を解消するための考え方を解説する。
事業部がノウハウ流出を恐れる理由
事業部の説得を試みるのであれば、「なぜ事業部はノウハウ流出を恐れるのか」を理解する必要がある。
事業部がノウハウ流出を恐れる背景には、以下のような考え・感情がある。
自社のノウハウを込めたコンテンツを競合企業が閲覧することで、同様のサービスを提供されてしまうのではないか
自社のノウハウを込めたコンテンツを顧客が閲覧することで、顧客自身で対応できてしまい、サービスを利用しなくなってしまうのではないか
自社で長い年月をかけて蓄積したノウハウを模倣されては割に合わない
「事業部がノウハウ流出を懸念してコンテンツ公開に反対している」という一側面だけを見るのではなく、その背景にどのような考え・感情があるのかを知る。そうすることが、協力を得るための対話の第一歩となる。
「ノウハウ流出の懸念」を押し切る回答
前述のような背景はあれど、ノウハウを公開できないことにはマーケティングを始められない。コンテンツマーケティングに取り組む人は、このような反対を押し切り、協力を得る必要がある。
ここでは、ノウハウ流出の懸念を押し切る5つの回答を紹介する。
1. 存在を明示できていないノウハウは、顧客から見ればないのと同じ
そもそも、「自社には固有のノウハウがある」というのは、自社だけが認識していることだ。公開されていない以上、顧客はその事実を知る由もない。
ノウハウを公開していない企業とノウハウを公開している企業の2社があったとき、どちらが価値あるノウハウを持っている企業だと顧客は認識するだろうか。無論、後者の企業が価値あるノウハウを持っていると認識するはずだ。
せっかく蓄積した競争優位性と言えるほどのノウハウは、世に公開して存在を示す必要がある。存在を知られて初めて、そのノウハウは存在していることになる。
2. マーケティング成果を挙げている企業ほど、ノウハウを公開している
持てるノウハウを余すことなく公開している企業ほど、高いマーケティング成果を挙げている。
BtoBマーケティング支援で高い知名度を誇る才流社は、100ページ以上のホワイトペーパーを公開し、リリースから24時間で455件の資料ダウンロードを記録している。
また、営業支援会社のSales Robotics社、セールスリクエスト社は資料ダウンロードのフォームを撤廃したことで、飛躍的な成果の伸長を実現している。
これらの事例からわかるように、自社のノウハウを惜しみなく公開している企業こそ、高いマーケティング成果を挙げている。ノウハウの公開を渋ることは、マーケティング成果を挙げないという意思決定をしているのと同義である。
3. コンテンツを読んだだけでノウハウは盗めない
記事や資料など、一度コンテンツを読んだだけでノウハウを盗むことはできない。
「知る」「わかる」「できる」「教えられる」にはそれぞれ高い壁があり、コンテンツを読み込んだだけで到達できるのは良くて「わかる」まで。多くの場合、「知っている」で止まるか、読んだことすら忘れていく。
コンテンツを読んだだけでは、ノウハウは盗めない。また、一度読んだくらいで盗めるノウハウなのであれば、公開してしまえばいい。公開することによる利益はあれど、失うものは何もない。
4. コンテンツを生み出す過程で、ノウハウは言語化される
どんな会社にも固有のノウハウはあるが、多くの場合、そのノウハウは言語化されないまま個々人のなかに留まっている。そして、言語化されていないがゆえ、社内でも共有されていない。
コンテンツは制作する過程で、作り手に言語化を強いる。コンテンツを生み出す過程で、頭のなかにぼんやりとあったノウハウが整理される。
コンテンツ制作の過程でノウハウを言語化することで、顧客へのサービス提供の品質も向上する。また、社内のノウハウシェアにも繋がる。
ノウハウは、言語化されて初めて活用できるものとなる。ノウハウを言語化するうえで最良の手段は、言語化を強いられるコンテンツ制作に取り組むことだ。
5. 珠玉のノウハウを公開し、それでも読まれないことの方が大半である
「ノウハウ流出が怖いから出せない」という壁にぶつかっているということは、これからコンテンツマーケティングに取り組むか、取り組み始めたばかりかだろう。
コンテンツ発信を始めると痛感するが、コンテンツは発信者が期待するほど読まれない。
今や多くの企業が競い合うようにコンテンツを公開しており、人の可処分時間に対してコンテンツの方が遥かに多くなっている。
SNSで気になるコンテンツを見かけて、「後で読もう」と思ってブックマークをし、その後読まずにいるコンテンツが山ほどある人もいるだろう。
コンテンツが溢れかえる現代において、珠玉のノウハウを公開しても読まれないことが大半だ。その前提のもと、自社が持つノウハウを惜しみなく公開し、届けきるために試行錯誤することが、マーケティング成果を挙げるうえで必要不可欠である。
正論を押し付けても理解は得られない
本稿では、「ノウハウ流出が怖いから出せない」という反対意見を受けたときの回答を5つ紹介した。ここで紹介した内容をもとに、反対意見を押し切ってコンテンツ発信を進めてもらえれば幸いだ。
一方、コンテンツ発信を推進する担当者自身の口から先述の回答をぶつけても、理解を得られるとは限らない。場合によっては、「正論で反撃してくる嫌なヤツ」と認識されてしまうこともある。
当事者だけで議論しても平行線を辿っていたものが、外部のプロを交えて話すとスッとまとまるということはある。私自身、コンテンツマーケティングのプロとして支援しているなかで、外部の立場にいるからこそ話が通りやすいと感じる局面は多々ある。
グロースソイルでは、コンテンツマーケティングの無料相談会を実施している。
「コンテンツ発信を思うように進められない」と悩んでいる方は、ぜひ一度相談してほしい。
この記事の執筆者
株式会社グロースソイル
代表取締役
髙橋 航平
Adobe Marketo Engageの導入支援会社にてコンテンツ編集長を務めたのち、2024年に株式会社グロースソイルを創業。
ナーチャリングに特化して、マーケティング支援サービスを展開。独自のナーチャリングモデル『アクションナーチャリング』をもとに、BtoB企業に顧客指向のナーチャリングを実装している。


