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キーワードリストが企画力を落とす理由

キーワードリストが企画力を落とす理由

2024/05/15

検索流入を中心に据えてコンテンツマーケティングに取り組む会社では、キーワードリストをもとにコンテンツ企画を進めることが多い。キーワードリストはメディアが持続的に成長するうえで重要であり、間違いなく用意しておくべきものだ。

しかし、キーワードリストをもとにコンテンツマーケティングを推進しているがゆえに起こる問題もある。キーワードリストに依存してしまうと、ユーザー獲得は上手くいってもエンゲージメント向上、問い合わせ増加、商談獲得といった流入以降のフェーズで壁にぶつかりやすい。

本記事では、キーワードリストをつくるメリットとデメリット、キーワードリストを使いながら本質的なコンテンツマーケティングを実現する方法を解説する。

メディアの持続的な成長に欠かせない『キーワードリスト』とは

キーワードリストとは、自社が獲得したいキーワードを一覧化し、対策状況や順位獲得状況を可視化するリストのこと。自社が獲得したいキーワードを一覧化しておくことで、どれだけのコンテンツが必要なのか、コンテンツを揃えるにはどのくらいの期間と工数が必要なのかといった見通しを立てやすくなる。

キーワードリスト

コンテンツマーケティングによってメディアの流入を増やすうえで、キーワードリストは欠かせない。まだキーワードリストを作っていないという方は、以下のテンプレートをもとに作成してほしい。

キーワードリストテンプレート
※コピーしてご利用ください

キーワード選定の具体的な手順については、LANY社の浅井氏(@_tarotarochan)がYoutubeで詳しく解説している。

キーワードリストをつくるメリット

キーワードリストには、メリットとデメリットの両面がある。キーワードリストをつくるメリットは、以下の3つに大別できる。

  • 検索流入数を安定的に伸ばせる

  • コンテンツを安定的に生産できる

  • リソースを有効活用できる

検索流入数を安定的に伸ばせる

キーワードリストに記載する検索キーワードは、以下の基準で絞り込んでいく。

  • 自社がコンテンツを公開して上位表示できる見込みがあるか

  • 一定数の検索需要があるか

  • 自社メディアの目的に合った検索キーワードか

上記の項目を満たしたキーワードのみ抽出してコンテンツを当てていく。そのため、闇雲にコンテンツを作り続ける場合と比べると安定的に検索流入数を伸ばしやすい。

検索流入数の推移

キーワードリストをもとにコンテンツを制作してSEOを強化する場合、以下の流れを辿ってコンテンツ制作・改善を進めていく。

  1. 新規記事作成

  2. 新規記事作成(7割程度) + リライト(3割程度)

  3. 新規記事作成(5割程度) + リライト(5割程度)

新規記事作成のみの初期フェーズではあまり大きな差はつかないが、リライトに着手する段階から大きな差が開いていく。キーワードリストを埋めるように記事作成とリライトを進めることで、効率的に検索流入数を増加させられる。

参考記事:リライトの効果実証!やはりリライトはメディア成長には欠かせない施策だった!|PLAN-B

コンテンツを安定的に生産できる

サイト全体で狙うキーワードが決まっていると、必要な記事本数とテーマが自ずと決まる。それらをコンテンツ制作計画に落とし込むと、コンテンツを安定的に生産できるようになる。

コンテンツ計画

数ヶ月先までコンテンツ公開のスケジュールが立っていると、コンテンツのディレクションにゆとりが生まれる。ゆとりをもってディレクションすることで、多少のトラブルが起こったとしても安定してコンテンツを生産できるようになる。

リソースを有効活用できる

記事コンテンツを制作するには、少なくない費用と労力を要する。しかし、それなりにリソースを投下して制作したコンテンツがまったく見られていないということは良くある話だ。

記事コンテンツのチャネルは様々あるが、なかでも検索エンジンは長期にわたって安定的にユーザーを獲得できるという特徴がある。

チャネルごとの特徴

検索キーワードを意識して制作したコンテンツは検索上位に表示されると、ある程度の期間安定してユーザー獲得に貢献する。また、流入につながるコンテンツを公開し続けることでドメインパワーが上がり、より上位表示されやすくなる。キーワードリストをもとにしたコンテンツ発信は、続ければ続けるほど成果が伸びていく構造にある。

キーワードリストをつくるデメリット

キーワードリストは多くのメリットがあり、基本的にはつくることを推奨している。しかし、キーワードリストを持っているが故に生じるデメリットもある。

顧客価値起点での企画力が落ちる

キーワードリストをもとにコンテンツを企画すると、「狙ったキーワードで上位表示させるための企画」になってしまう。また、Googleが重要視している”網羅性”を担保するために、競合記事に記載されている内容を盛り込んだ幕ノ内弁当のような構成になることが多々ある。

このようなコンテンツは検索上位を獲得するという視点では有効だが、「顧客に価値を届ける」という視点では疑問が残る。SEOを意識して多くのコンテンツを公開しているにも関わらず、営業に「お客様に紹介できるようなコンテンツがない」と思われている企業は多い。

本来コンテンツは顧客のためにつくるべきものだが、キーワードリストがあるために「SEO対策のためにコンテンツを作る」という発想に引っ張られてしまう。そのようなコンテンツ制作を長く続けていると、顧客価値起点での企画が徐々にできなくなってしまうこともある。

企画の流れ

想定流入数でコンテンツの優先順位をつけてしまう

時間と労力をかけて制作したコンテンツは、読まれなければ意味がない。ただし、コンテンツの良し悪しはユーザー獲得力だけで決まるわけではない。顧客の課題を顕在化させ、行動を促す力を持ったコンテンツにも価値がある。

しかし、SEO視点でのコンテンツ企画ばかりをやってしまうと、コンテンツの優先順位を想定流入数で決めてしまいがちになる。ユーザー獲得に固執せず、コンテンツの目的を柔軟に考える力も養っておく必要がある。

コアターゲットから外れるユーザーの集客に注力してしまう

多くのBtoB企業にとって、検索流入は主要なチャネルとなる。ある程度コンテンツを公開できている企業であれば、過半数が検索流入となっていることが多い。

検索は獲得ユーザー数の基盤形成に強い一方、ターゲット外のユーザーも多く含んでいる。特に、検索数の多いキーワードであれば、その傾向は顕著なものとなる。

キーワードリストを作る際は、検索需要と獲得可能性をもとにキーワードを絞り込むことになる。その一方で、「自社がターゲットとするユーザーを獲得できるのか?」という視点も忘れずに持っておきたい。

キーワードリストを使いながら本質的なコンテンツマーケティングを実現する方法

キーワードリストにはデメリットがある一方で、それを補うだけのメリットもある。特に、SEOを軸としてメディアを成長させていきたいと考えている企業であれば必要不可欠だろう。

ここでは、キーワードリストを使いながら本質的なコンテンツマーケティングを実現する方法を2つ解説する。

SEOコンテンツとナレッジコンテンツを分けて制作する

SEOコンテンツとナレッジコンテンツは分けて制作するのが良い。これは、「別物として捉える」ということではなく、「別の担当者が担う」ということである。

業務の優先順位はKPIの指標によって規定される。「新規ユーザー数」「新規リード獲得数」がKPIの指標となっているのであれば当然、SEOコンテンツの制作を優先する。一方、「MQL創出数」「SAL創出数」「商談創出数」がKPI指標であれば、ナレッジコンテンツや事例コンテンツ、ウェビナー等に注力するだろう。

SEOコンテンツとナレッジコンテンツの両方を安定的に制作できるよう、組織の引力をコントロールするといった視点が重要だ。

一度”アイデア”へ昇華させたうえで企画に落とし込む

「キーワードを決め、競合調査をして、勝てる構成にする」という流れで企画してしまうと、競合記事の内容を組み合わせたコンテンツになってしまう。しかし、そうしたコンテンツが顧客にとって価値あるものになるかどうかは別の話だ。

このようなジレンマを解消するには、キーワードの検索結果から検索意図を抽出し、一度アイデアに昇華させたうえで企画に落とし込むのが良い。

一度アイデアに昇華させる企画の流れ

検索ニーズをもとにしてアイデアへ一度昇華させることで、競合と似たり寄ったりな内容ではなく、顧客にとって価値あるコンテンツを企画できる。

価値あるコンテンツを生み出すことに集中する

「SEOは手段であり、目的ではない」と頭ではわかっていても、実務をこなすなかでSEOに意識を引っ張られてしまうことは往々にして起こり得る。しかし、顧客はSEO対策されたコンテンツを求めているのではなく、課題解決につながるコンテンツを求めている。

集客手段に囚われることなく、価値あるコンテンツを生み出すことに集中することこそが、キーワードリストにまつわる問題を突破する糸口となる。

この記事の執筆者

株式会社グロースソイル
代表取締役

髙橋 航平

Adobe Marketo Engageの導入支援会社にてコンテンツ編集長を務めたのち、2024年に株式会社グロースソイルを創業。
ナーチャリングに特化して、マーケティング支援サービスを展開。独自のナーチャリングモデル『アクションナーチャリング』をもとに、BtoB企業に顧客指向のナーチャリングを実装している。