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「顧客視点」はメンテナンスする必要がある

「顧客視点」はメンテナンスする必要がある

2025/05/27

BtoBの現場では、「顧客視点を持とう」という言葉が当たり前のように使われています。
顧客の立場に立って考えることが重要だということに異論がある人は少ないですが、それを日々“保ち続ける”のは、決して簡単なことではありません。

短期的な数値目標に追われる状況や、自社の利益をもとにした判断が求められる場面では、気づかないうちに視点が内向きにズレてしまうこともあるはずです。

本記事では、「顧客視点はいかにして失われていくのか」という問いを起点に、視点のズレが生まれる背景と、顧客視点を維持するための方法について考えていきます。

顧客視点とは何かを整理する

顧客のことをよく理解している状態を「顧客解像度が高い」といいます。例えば、組織構成や課題、意思決定の背景まで把握できていれば、顧客解像度は高いといえるでしょう。

一方で、顧客視点は「顧客の立場に立って物事を見ているかどうか」を表します

顧客解像度と顧客視点は、視力と視点の違いにたとえるとイメージがしやすくなります。

  • 顧客解像度(=視力)
     どれだけ細部まで顧客のことを把握できているか。情報量や理解の深さを示す。

  • 顧客視点(=視点)
     今、自分が顧客の立場に立って物事を見ているかどうか。どこに意識の焦点を合わせているかという“向き”を示す。

いくら視力がよくても、視点がズレていれば本当の意味で顧客と向き合うことはできません。

顧客視点は“揺らぐ前提”でメンテナンスするもの

常に顧客の立場に立ち続けることは、意外と難しいものです。

顧客視点とは、スキルではなく、環境や心理的余裕に左右される“状態”のことだからです。

実際に、KPIが未達だったり、売上が安定していなかったりする状況では、顧客解像度が高い人でも顧客視点を失ってしまうことがあります

自社の都合に視点が偏ってしまっていると、次のような言動に表れることがあります。

  • 自社のキャンペーン内容を知ってもらうことを優先し、本来顧客が知りたい情報や文脈が後回しになる

  • 提案資料で、相手の課題に触れないまま自社サービスの訴求に終始してしまう

  • 社内の受注目標に合わせて回答期限を設定し、顧客側の意思決定プロセスや社内確認にかかる工数に配慮できていない

こうした状態を防ぐためには、そもそも「顧客視点は揺らいでしまうものだ」という認識を持っておくことが重要です。

顧客視点を保つためにできる工夫

自社の状況によって揺らぎやすい顧客視点を維持するには、個々人の意識に頼るのではなく、日々自然と整えていける“仕組み”が必要です。

視点のズレに気づきやすくし、行動を微調整していくための具体的な工夫としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 標語を目に見える場所に設置する
    「顧客の立場で考える」といった言葉を紙に書いて、デスクや壁など目につく場所に掲示する

  • 社内で指摘し合える文化をつくる
    会議やチャットで自社都合の発言が出たとき、発言者の役職を問わず顧客視点で捉え直すというルールをつくる(指摘しないデメリットの方が大きくなるようなルールにする)

  • 社外の視点を取り入れる
    外部の人との会話を通じて、内側に偏りがちな視点を定期的にリセットする

こうした仕組みを日常に組み込んでいくことで、顧客視点を組織として保ちやすくなります。

顧客視点を守るための“現実的な戦い方”

どれだけ意識していても、プレッシャーやリソース不足のなかでは、顧客視点は徐々にズレていくものです。

そのズレを防ぐには、仕組みの整備に加えて、そもそも「成果に困らない状態」をいかにつくるかが肝となります。

短期成果で「困らない状態」をつくる

顧客視点は、自社に余裕があるときほど自然に保ちやすくなるものです。

一方で、売上目標やKPIの未達が続いていると、社内ではこんな声が上がるようになります。

  • 「今月は新規リード数が足りていない。とにかく数を取りに行かなきゃ」

  • 「今月は資料請求が足りない。ポップアップやメールでの訴求を強くしよう」

こうした焦りが先行すると、判断が自社都合になりやすく、顧客の検討ペースや意思決定プロセスにまで気を配ることが難しくなります。

つまり、「自社が成果に困っている状態にあるときほど、顧客視点を維持するのが難しくなる」ということです。このズレを防ぐには、先手を打って「自分たちが困らない状態」をつくっておく必要があります。

顕在層リードを優先して確保する

短期成果を挙げる際に、「リードの数は確保できたが、確度の高いリードが少ない」という状態に陥ると、レベニュー組織全体での成果が揺らぎ、顧客視点を欠いた施策に走らざるを得なくなってしまいます。

そこで取り入れたいのが、顕在層リードを優先的に獲得するという視点です。
顕在層リードの獲得を優先して進めることで、以下のような恩恵を受けることができます。

  • レベニュー組織全体での短期成果を達成しやすい

  • マーケティングの収益貢献を示しやすい

顕在層リードを一定量獲得することでレベニュー部門全体の焦りを抑制すると、結果として中長期施策へ投資する余裕が生まれ、顧客視点を保ったマーケティング活動を継続しやすくなります。

顧客の立場に立てる状態を保ち続けるために

顧客視点は、時間とともに自然とズレてしまうもの。だからこそ、次第にズレることを前提として、あらかじめ環境や仕組みを整えておくことが大切です。

目につく場所に言葉を掲げる。顧客視点のズレを指摘し合うルールをつくる。外の視点を取り入れる。 そうした取り組みが、自分たちの視点を少しずつ整えていきます。

グロースソイルでは、顧客課題を起点としてナーチャリングコンテンツを制作するサービスを提供しています。外部だからこそ社内事情に巻き込まれず、顧客視点を保ち続けたままコンテンツを生み出し続けられる、という側面もあります。

顧客視点を徹底したマーケティング活動を継続していきたいと考えている方は、ぜひ利用をご検討ください。

サービスについて詳しく見る

この記事の執筆者

株式会社グロースソイル
代表取締役

髙橋 航平

Adobe Marketo Engageの導入支援会社にてコンテンツ編集長を務めたのち、2024年に株式会社グロースソイルを創業。
ナーチャリングに特化して、マーケティング支援サービスを展開。独自のナーチャリングモデル『アクションナーチャリング』をもとに、BtoB企業に顧客指向のナーチャリングを実装している。