限られたリソースを有効活用するコンテンツリサイクルの型
2024/05/22
現代のマーケティング部門は認知拡大のみならず、リード獲得、ホットリード創出まで担っている。また、組織によっては商談創出まで担っている場合もある。
株式会社パワー・インタラクティブが2023年に実施した『大企業のマーケティング業務の実態調査』では、マーケティング担当者の65.7%が「ここ2〜3年でマーケティング業務の負荷が高まっている」と回答した。
責任範囲が広がれば、自ずとやるべき業務が増える。しかし、業務が増えた分だけ人員を増やせるわけではない。必然的に一人ひとりが負う業務量が増え、各社のマーケターが悲鳴を挙げている。
リソース不足が問題となりやすいマーケティング活動では、「いかにコンテンツを有効活用するか」が重要だ。コンテンツの企画には相応の負荷がかかるため、企画リソースはできる限り有効活用したい。
本記事では、コンテンツリサイクルの4つの型と、コンテンツリサイクルがもたらす4つの恩恵を紹介する。
コンテンツリサイクルの4つの型
コンテンツリサイクルは、以下4つが代表的な型として挙げられる。
ナレッジ記事起点
セミナー起点
ホワイトペーパー起点
事例記事起点
コンテンツリサイクルの型は、いずれか1つに絞って運用する必要はない。その時々の状況や目的に応じて、複数の型を活用して効率よく運用するのが良い。
型を知っておくことで、企画リソースを余すことなく活用できるようになる。
ナレッジ記事起点のコンテンツリサイクル
ナレッジ記事を起点とすると、以下の通りリサイクルできる。

ナレッジ記事起点のコンテンツリサイクルには3つの特徴がある。
テキストは情報の構造整理に長けているため、他のコンテンツへ転用しやすい
企画段階で検索ニーズを調査できるため、検索流入も見込める
書くことを得意としたメンバーが集まっている組織との親和性が高い
グロースソイルは書くことが得意なメンバーが運営しているため、ナレッジ記事起点のコンテンツリサイクルを採用している。
セミナー起点のコンテンツリサイクル
セミナーを起点とすると、以下の通りリサイクルできる。

セミナー起点のコンテンツリサイクルには3つの特徴がある。
記事執筆は後回ししてしまう人でも、セミナー登壇は後回しできないため確実にコンテンツを生み出せる
話すことを得意としたメンバーが集まっている組織との親和性が高い
セミナー内容をレポート記事へと展開するため、検索ニーズへの柔軟な対応が難しい
前職の会社は書くことよりも話すことを得意とするメンバーが多かったため、セミナー起点のコンテンツリサイクルを採用していた。
ホワイトペーパー起点のコンテンツリサイクル
ホワイトペーパーを起点とすると、以下の通りリサイクルできる。

ホワイトペーパー起点のコンテンツリサイクルには6つの特徴がある。
ホワイトペーパーからセミナーへの展開は、運用次第で工数をほぼ0まで抑えられる
初めにホワイトペーパー、次にセミナーへと展開するため、リード獲得力に長けている
セミナーへ展開する前にナレッジ記事へと展開することもできる
記事に挿入するスライド作成がホワイトペーパー作成時点で完了しており、記事作成の工数を抑えられる
資料作成を得意としたメンバーが集まっている組織との親和性が高い
原液となるホワイトペーパーの作成に多くの工数がかかる
ホワイトペーパー起点のコンテンツリサイクルは、リード獲得に重点を置いたマーケティング活動をしている組織で採用されることが多い。
事例記事起点のコンテンツリサイクル
事例記事を起点とすると、以下の通りリサイクルできる。

事例記事起点のコンテンツリサイクルには、以下3つの特徴がある。
事例記事をあらゆるコンテンツで部分的に活用すると、コンテンツの密度を高められる
事例を盛り込むことでセミナー・ナレッジ等の信頼性を担保できる
取材を通じて顧客との関係を深められ、ほかのコンテンツへの協力を依頼しやすい
購買プロセスのなかで、より購買に近いコンテンツから強化していく方針の企業で採用されやすい。
コンテンツリサイクルがもたらす4つの恩恵
限られたリソースで多くのコンテンツを生み出せる
マーケティングチャネルの多様化、マーケティング部門の責任範囲の拡大により、生み出すべきコンテンツは多岐に渡っている。SEO記事、ナレッジ記事、事例記事、ホワイトペーパー、ウェビナー、オフラインイベントなど、実に様々なコンテンツを生み出すことが求められる。しかし、これらをひとつずつ企画していては到底手が回らないという企業も多い。
原液となるコンテンツをリサイクルすると、企画・情報収集にかかる時間を押さえつつ多くのコンテンツを生み出せるようになる。
原液となるコンテンツの密度を高められる
リサイクルして生み出すコンテンツの品質は、原液となるコンテンツの品質に依存する。原液となるコンテンツの品質が高ければリサイクルしたコンテンツの品質も自ずと高くなるが、逆も然り。
原液となるコンテンツの品質がその他のコンテンツの品質にも影響を及ぼすとなれば、原液となるコンテンツの企画・制作に熱が入る。熱を込めて制作されたコンテンツは、自ずと密度が高いものになる。
顧客と継続的にコミュニケーションを取れる
昨今のBtoBマーケティングには、リードナーチャリングという考え方が根付いている。
リードナーチャリングとは、「顧客育成」を意味する概念だ。しかし、実際は育成するというより、課題が顕在化したときに想起してもらうためのアプローチと捉える方が正確だろう。
BtoB事業では基本的に複数社比較検討して依頼先を決めるため、比較検討段階で想起され、候補に入ることが重要だ。上がった候補のなかでも優先度が高い選択肢となっていればなお良い。
想起されるには継続的なコミュニケーションが必要だが、継続的にコミュニケーションを取れるほど潤沢なコンテンツがないという企業は少なくない。
コンテンツリサイクルによってコンテンツ量を担保することで、継続的なコミュニケーションを取れるようになる。
コンテンツ制作業務の大半をタスクレベルまで分解できる
原液となるコンテンツを生み出しさえすれば、その他のコンテンツを制作する業務をタスクレベルまで分解できる。
ナレッジ記事を原液として公開した場合、以下のように業務を切り分けられる。

資料作成やSNS・メルマガ運用を社内でおこなっていれば社内のメンバーへ、社外に委託していれば社外の方へ業務を依頼できる。
原液のコンテンツを公開する時点でチェックを通しているため、リサイクルコンテンツは体裁だけ整えれば良いという利点がある。
発信者が思うほど、コンテンツは見られていない
先日、才流 代表の栗原氏(@kotakurihara)がXでこんなポストをしていた。
「誰も君のコンテンツなんか見てない」という大前提のもとに考えれば、コンテンツリサイクルの重要性をより深く理解できる。
「誰も自分たちのコンテンツなんか見てくれていない」からこそ、様々な形のコンテンツへと展開する。そして繰り返し届け続けることで、ようやく一部の人に伝わる。その積み重ねがマーケティング成果へとつながる。
ひとつの良質なコンテンツをリサイクルして様々なコンテンツへと展開し、価値ある情報を顧客に届けよう。
グロースソイルでは、顧客の悩みを起点に企画し、商談創出に繋がるコンテンツを生み出す『ナーチャリングコンテンツ制作サービス』を提供しています。
限られたリソースを有効活用し、コンテンツでの成果につなげたいとお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
この記事の執筆者
株式会社グロースソイル
代表取締役
髙橋 航平
Adobe Marketo Engageの導入支援会社にてコンテンツ編集長を務めたのち、2024年に株式会社グロースソイルを創業。
ナーチャリングに特化して、マーケティング支援サービスを展開。独自のナーチャリングモデル『アクションナーチャリング』をもとに、BtoB企業に顧客指向のナーチャリングを実装している。


