原点回帰で考える「コンテンツマーケティング」とは
2024/04/03
2024年の現在、BtoB・BtoC問わず購買行動の主導権は顧客が握っている。「顧客は購買検討プロセスの57%を商談前に済ませている」というデータが発表されてから13年が経った。デジタルで情報収集することが当たり前になっている現代において、コンテンツマーケティングは「取り組むと良い活動」ではなく「取り組まなければ淘汰されてしまう、必要不可欠な活動」となっている。
コムエクスポジアム・ジャパン株式会社が実施した『2024年「企業が注力するマーケティング」調査レポート』では、「この先1年で重要度が増し、注力する・予算を振り向ける施策は?」という問いに対し、1位・2位に「オウンドメディアの充実・強化」「コンテンツマーケティングの強化」が挙がった。
コンテンツマーケティングへの注目が集まる一方で、「コンテンツマーケティング」という言葉の定義が人によって異なるという問題も生じている。
ある人は「露出を増やすための活動」と認識し、ある人は「検索上位を獲得するためにSEO記事を量産する活動」と認識している。しかし、そのどちらもコンテンツマーケティングを正確に捉えたものではない。
本記事では、「コンテンツマーケティングとは何か」を原点回帰して解説する。
- コンテンツマーケティングの定義
- コンテンツマーケティングが企業にもたらす10の恩恵
- コンテンツが資産となり、収益拡大の基盤となる
- 一定の運用コストで成果を拡大できる
- 顧客の第一想起を取れる
- ターゲット層と広く接点を持てる
- 読者間でのシェアを期待できる
- 営業活動を効率化できる
- 営業活動の質を高められる
- 顧客との関係深化につなげられる
- 自社内のナレッジシェアにつながる
- 会社としてのブランディングにつながる
- コンテンツマーケティングの歴史
- 農家向け雑誌『THE FURROW』創刊(1895年)
- ドライバー向け雑誌『ミシュランガイド』創刊(1900年)
- コンテンツマーケティング活動が次第にズレてしまう原因
- 本来の目的を忘れ、KPIの達成が至上命題となってしまう
- コンテンツマーケティングの目的と評価基準を定義・共有できていない
- コンテンツマーケティングを成功させるための要点
- コンテンツマーケティングの成功を定義し、成功までのロードマップを敷く
- コンテンツマーケティングの目的と「成功」の定義を社内に共有する
- 顧客像をチーム内で一致させる
- コンテンツマーケティングの収益貢献を可視化できる環境をつくる
- コンテンツマーケティングの成功をつかむ戦略策定手順
- 1. コンテンツマーケティングの目的を定義する
- 2. ターゲットオーディエンスを決める
- 3. 顧客解像度を高める
- 4. 競合理解を深める
- 5. 自社の提供価値を明確化する
- 6. メッセージハウスを作成する
- 7. 制作するコンテンツ形式を選定する
- 8. KPIを設計する
- 9. コンテンツ制作計画を立てる
- 10. コンテンツ制作に必要な体制を整える
- コンテンツマーケティングは、企業を持続的な成長へと導く礎となる
コンテンツマーケティングの定義
「コンテンツマーケティング」とは、「コンテンツ」と「マーケティング」を組み合わせた言葉だ。コンテンツマーケティングの定義を理解するためには、両者の定義を理解する必要がある。
「コンテンツ」の定義
「コンテンツ」を直訳すると、「中身」「内容」「ネタ」となる。つまり、情報そのものがコンテンツであると言える。記事や資料、動画、音声、ウェビナー、イベントなど、情報を届けるものはすべてコンテンツとなる。
「マーケティング」の定義
日本マーケティング協会は2024年1月、34年ぶりに「マーケティング」の定義を見直した。同協会が示した「マーケティング」の定義は以下の通り。
顧客や社会と共に価値を創造し、その価値を広く浸透させることによって、ステークホルダーとの関係性を醸成し、より豊かで持続可能な社会を実現するための構想でありプロセスである。
注1)主体は企業のみならず、個人や非営利組織等がなり得る。
注2)関係性の醸成には、新たな価値創造のプロセスも含まれている。
注3)構想にはイニシアティブがイメージされており、戦略・仕組み・活動を含んでいる。
「コンテンツ」と「マーケティング」の定義を踏まえると、「コンテンツマーケティング」は以下の通り定義できる。
コンテンツマーケティングとは
顧客の役に立つ情報を届けながら、自社製品・サービスの利用検討を促す活動
コンテンツマーケティングが企業にもたらす10の恩恵
コンテンツマーケティングは、数えきれないほどの恩恵を企業にもたらす。本記事では、代表的な10の恩恵を紹介する。
コンテンツが資産となり、収益拡大の基盤となる
コンテンツマーケティングが広告を中心とした従来のマーケティングと異なる点として、その取り組みが単発のものではなく、資産として積み上がっていくというものが挙げられる。
日本では古くから、広告が代表的なマーケティング施策として認識されてきた。広告は出稿すればすぐに人目に止まるため、実施してすぐに成果を挙げられるという特徴がある。しかし、広告は出稿を止めると効果も止まってしまう。また、広告は基本的に顧客から疎まれており、広告を出稿することは企業ブランドを構築するうえでマイナスにもなりかねない。
一方、Webサイトに掲載するコンテンツは一度公開するとWebサイト上に掲載され続ける。読者は気に入れば拡散したり、ブックマークして継続的に利用したりする。また、検索上位に表示されるようになると、新規流入も継続的に生まれる集客基盤となる。
コンテンツマーケティングは投資の回収に時間がかかるという側面はあるが、中長期的に見れば企業の収益拡大の基盤となる活動だ。事業拡大を目指す企業にとって、決して軽んじることのできない活動と言えるだろう。

一定の運用コストで成果を拡大できる
コンテンツはその効果が中長期で継続するため、続ければ続けるほど成果が上がっていくという特性がある。一定の運用予算で継続していくと、1年目よりも2年目、2年目よりも3年目と成果が上がっていく。
効果は指数関数的に大きくなっていく一方で、予算を意図的に増やさない限り(理論上は)同じ運用コストで活動を継続できる。投資に見合う成果を得られるまでに時間はかかるが、ブレずに投資し続けた後に得られる果実は大きい。

顧客の第一想起を取れる
2011年に米CEB(Corporate Executive Board)社が実施した調査によると、顧客は購買プロセスの57%を商談前に済ませていることが分かっている。2011年から13年が経過した今、その割合は当然広がっている。現在は動画やSNSが当時よりも発達し、以前よりも顧客自身で情報収集できる環境が整っている。つまり、商談の勝敗は、商談が始まる前におおむね決まっている。

そんな現代において、日常的に顧客の役に立つ情報を提供し続け、課題が顕在化したときに第一想起してもらえることは何より重要だ。第一想起に挙がった時点で商談はスムーズに進められるし、そうでない場合は劣勢を強いられる。
ターゲット層と広く接点を持てる
どれだけデジタル技術が発達しても、顧客との関係を最も深められるのは、顧客と直接会話する営業活動であることは揺るがない。とりわけBtoB商材では、営業担当者のコミュニケーション力が商談の成否を分ける。
しかし、営業活動は一人ひとりの顧客に対して時間を使うため接触できる人数が限られる。少人数の営業組織であればなおさら、接触できる顧客数と接触回数は少なくなる。また、必ずしも顧客にとって都合が良いときにアプローチできるわけでもない。
一方、コンテンツは存在そのものが情報提供している。24時間365日、顧客が欲するときに情報を提供する。
加えて、コンテンツは人のリソースに縛られない。営業活動では1日10組としか対話できないとしても、コンテンツは1日100人でも1,000人でも、10,000人にでも情報を届けられる。いわば、無限に活動できる営業にもなり得るのだ。

読者間でのシェアを期待できる
人は良質な情報に触れたとき、ほかの人にシェアしたいという欲求に駆られる。コンテンツのシェアは、以下のような動機でおこなわれることが多い。
ほかの人に良い情報を紹介したい
自身の興味関心を表現したい
シェアするコンテンツを通じてコミュニケーションを生み出したい
コンテンツの発信者に貢献したい
自社からの発信だけでは、自社のことを認識している人にしか届けられない。しかし、読者にシェアしてもらえれば、読者の周りの人にまで自社のコンテンツを届けられる。そうしたシェアの輪が広がることで、自社の認知度を高められる。

コンテンツがシェアされる場としてはSNSが代表的だが、コンテンツがシェアされるのはSNSだけではない。社内チャットや知人との会話など、様々な場所でシェアされている。生み出したコンテンツが良質であればあるほど、より多くの人に、様々な場所でシェアされるようになる。
営業活動を効率化できる
伝統的な日本企業では、人海戦術で営業担当者が顧客にアプローチし、案件獲得の機会を狙っている。現在はこのような活動を美徳とする風潮は薄れつつあるものの、業界によっては根強い支持を集めている。しかし、顧客視点を欠いた営業活動は多くの顧客から疎まれ、時にトラブルにつながる。
(必ずしもしつこいアプローチが悪だとは考えていない。しつこさでしか築けない強固な関係というものもある)
コンテンツは情報を提供するだけでなく、見込み度合いが高い顧客を見つけ出す役割も担っている。マーケティングオートメーション(MA)など、顧客の行動情報を取得できる環境があれば、顧客が何に関心を持っているのか、どの程度商品・サービスの利用を検討しているのかを推測できる。

顧客行動をもとに見込み度合いを推測し、見込み度が高い顧客に絞って営業活動をおこなえば、顧客は営業担当者に対して好意的に接してくれる確率が高まる。このようなサイクルに入れば、営業活動は飛躍的に効率化される。
(私がインサイドセールスとしてウェビナー参加者をフォローしていたとき、1日3本だけ電話して2件の商談機会を獲得し、1件の受注を得たこともあった)
営業活動の質を高められる
コンテンツマーケティングは営業活動を効率化させるだけでなく、営業活動の質を高める効果もある。
顧客がどのコンテンツを消費しているか分かるということは、顧客が何に関心を持っているのかがわかるということだ。顧客の関心ごとを把握し、仮説を持ってアプローチする営業とそうでない営業の間でコミュニケーションの質に差が生まれるのは必然である。

顧客は営業担当者の事前準備を敏感に感じ取る。自身の状況に合った情報を提供しようとする営業担当者を信頼し、できる限り詳しく自社の状況を伝えようとするだろう。
顧客との関係深化につなげられる
数あるコンテンツのなかでも、事例コンテンツは重要な意味を持つ。商品・サービスの利用を具体的に検討している顧客ほど、商品・サービスを利用した他社がどのような体験をしたのかを詳しく知りたがる。そのため、多くの企業は事例コンテンツの発信に力を入れている。
社名公開の事例コンテンツを作成する場合、顧客に協力を依頼し、取材してコンテンツへと落とし込むことになる。その過程で顧客はこれまでの活動を振り返り、商品・サービスを利用することでどのような変化があったのかを言語化する。
これまでの活動を言語化することで、商品・サービスおよび営業担当者への愛着を深め、継続的な発注や他商品・サービスの追加発注へとつながることがある。あまり取り上げられることはないが、コンテンツはつくる過程でも顧客との関係を深める力を持っている。

自社内のナレッジシェアにつながる
いかなる企業も、自社の事業領域に関するナレッジを有している。しかし、そのナレッジは必ずしも社内で共有されているとは限らない。「ある人は知っているが別の人は知らない」という現象は、どんな企業でも多かれ少なかれ起こっている。
ナレッジは口頭伝達されることが多いが、口頭伝達では届けられる人が限られるうえ、後で参照することが難しい。より多くの人に、より正確にナレッジを届けることを考えると、文書として言語化されている方が良い。

コンテンツマーケティングは顧客のためにおこなう活動だが、巡り巡って自社内でのナレッジシェアにもつながる。コンテンツマーケティングには、本来意図していなかった恩恵も得られるという強みがある。
会社としてのブランディングにつながる
良質なコンテンツを発信し続けていると、読者は発信者に対して好印象を持つようになる。好印象を持っている企業に対して何か仕事を依頼したい、何らかの形で貢献したい(お返ししたい)と考える人もいる。
ブランディングは収益拡大だけでなく、採用、社員定着など様々な面で企業に好影響をもたらす。私の周りでも「○○社のコンテンツをいつも見ていて、○○社への転職を決めた」という人を何人も見てきた。
コンテンツマーケティングの歴史
当事者が「コンテンツマーケティング」と認識していたかはさておき、コンテンツマーケティングは古くからおこなわれてきた。ここでは、マーケティング先進国であるアメリカでどのようにしてコンテンツマーケティングが生まれたのかを解説する。
農家向け雑誌『THE FURROW』創刊(1895年)

出典:Reprint Old Furrow Magazine|TheFurrow
農機具メーカーとして世界No.1シェアを誇るディア・アンド・カンパニーは、生活苦にあえぐ鍛冶屋のジョン・ディア(以下、ジョン)氏によって設立された。
生活苦で家族と別れる決断をしたジョンは、アメリカ東部にあるバーモント州から、アメリカ中東部に位置するイリノイ州に単身で居を移した。そして、北東部からイリノイ州に移住した農民から「粘りが強いイリノイの土を鋤(すき)で耕すのが大変だ」という話を何度も聞かされた。農民が使っている鋤に土がへばり付き、落とすのに相当な時間と労力を使っていたという。
そこで鍛冶屋のジョンは「鋤の表面を鋼鉄でつくったら泥がくっつくことはないはずだ」と考え、古いのこぎりを材料にして研磨した鋤を作った。それを農民に渡し、何度も改良を重ねた。しがない鍛冶屋がひとりの農民のために作った「泥がくっつかない鋤」が農民の間で話題を集め、ジョンは偉大なビジネスパーソンとなった。
ジョンは1886年に亡くなったが、ジョンが農民との間で築いた「顧客の声に耳を傾け、顧客の成功を重んじる価値観」は継承されていた。ジョンの死後9年が経った1895年、同社は農家向け雑誌『THE FURROW』を創刊した。
THE FURROWは自社の農機具を売り込むのではなく、あくまで「農民たちが新たなテクノロジーを活用し、事業家として成功するための情報提供」に徹した。農家の成功に焦点を当てたTHE FURROWは、創刊から120年以上経った今も世界的な影響力を持ち、農機具メーカーとして世界No.1シェアの同社を支えている。
参考:エピック・コンテンツマーケティング 顧客を呼び込む最強コンテンツの教科書|Mc Graw Hill Education p25-27
ドライバー向け雑誌『ミシュランガイド』創刊(1900年)

出典:ミシュランガイドについて|MICHELIN GUIDE
ミシュランを格付けの会社だと認識している人も多いが、ミシュランはフランスに本社を置くタイヤメーカーだ。世界で初めて、自動車に装着できる空気入りタイヤを生み出した会社でもある。
19世紀末の当時、フランスでは自動車が2,500台程度しか走っていなかった。車を持っていても故障やパンクが多く、遠くへ出掛けることは難しいと思われていたためだ。
「安全で快適な自動車で遠くに行ってほしい。そうでなければタイヤはすり減らないので売れない」と考えた創業者のミシュラン兄弟は、旅のガイドブックを思いついた。1900年、車の修理方法やガソリンスタンドの場所、宿泊するためのホテルなどの情報を載せた『ミシュランガイド』を創刊した。
ミシュランガイドでは直接的にタイヤの購入を勧めることはせず、あくまで旅を楽しむための情報を提供した。たくさん走ればタイヤがすり減り、巡り巡って自社のビジネスにつながるという考えのもと、顧客の役に立つ情報発信に徹した。
後に格式高いレストランやホテルを紹介する雑誌へと発展していったが、原点には「車でたくさん旅をしてほしい」という想いがあった。
参考:ミシュランガイドの本質とは? 100年続く仏タイヤメーカーの戦略|事業構想
コンテンツマーケティング活動が次第にズレてしまう原因
ここまでの話で、コンテンツマーケティングが企業にとっていかに有意義な活動なのかを理解してもらえただろう。しかし、コンテンツマーケティング活動を続けていくうちに、徐々に指針を見失っていく企業は後を絶たない。真に顧客と向き合い、顧客に役立つ情報を発信して事業成長へと繋げられている企業の方が少数派だ。
ここでは、コンテンツマーケティング活動が次第にズレてしまう原因を解説する。
本来の目的を忘れ、KPIの達成が至上命題となってしまう
「コンテンツマーケティングに取り組み始めた当初は顧客視点で活動していたが、時間が経つにつれてKPI達成のために動くようになってしまった」
という問題は多くの企業で起こっている。自社都合の施策を実行し続けていると、成果につながらないだけでなく、企業としてのブランドに悪影響を及ぼす恐れもある。
自身が読者となって情報収集するとき、このようなWebサイトを見たことはないだろうか。
ひとつの記事にも関わらず、何ページにもわかれている
頻繁に資料ダウンロードやメルマガ登録を促すバナーが表示される
記事の文脈と関係なくサービスを訴求される
これらは「PV数」「リード獲得数」「問い合わせ獲得数」をKPIに置いており、それらの達成が至上命題となってしまっているがゆえに起こる現象だ。

コンテンツマーケティングの目的と評価基準を定義・共有できていない
コンテンツマーケティングの目的と評価基準を明示できていないマーケティング組織は決して少なくない。
コンテンツマーケティングは今や必要不可欠な活動となっており、多くの企業が取り組んでいる。しかし、必要不可欠であるがゆえ、目的を明確にしないまま取り組んでいる企業もある。
コンテンツマーケティングを成功させるためには、何のために取り組むのか、何をもって「成功」と呼べるのかをあらかじめ定義しておく必要がある。そして、成功の定義を関係部署や上層部と合意形成する必要がある。
成功の定義を共有することは、コンテンツマーケティング活動が正当な評価を受ける上で重要だ。成果が出ているにも関わらずそれを共有できていなければ、コンテンツマーケティング活動は縮小の一途を辿っていくほかない。
コンテンツマーケティングを成功させるための要点
コンテンツマーケティングの成功を目指すうえで、必ず押さえておくべき要点がある。
コンテンツマーケティングの成功を定義し、成功までのロードマップを敷く
コンテンツマーケティングを始める前に、「何をもってコンテンツマーケティングは成功していると言えるのか」を定義する。成功を定義するうえで、以下3点を押さえておこう。
目標を数値で表す
期限を決める
短期、中期、長期で分けて目標を設定する
上記を踏まえてコンテンツマーケティングの成功を定義すると、以下のような目標設定ができる。
項目 | 目標 | 期限 |
短期 | ・コンテンツマーケティングチームを編成する | 2024年6月30日 |
中期 | ・2025年3月の月間ユーザー数10,000件 | 2025年3月31日 |
長期 | ・Webサイト経由の商談創出数 月10件 | 2026年3月31日 |
コンテンツマーケティングの目的と「成功」の定義を社内に共有する
コンテンツマーケティング活動は、社内メンバーの協力を要する場面が多い。しかし、社内でコンテンツマーケティング活動に対する理解を得られていないと、以下のような問題が起こる。
「コンテンツマーケティングってマーケティング部の仕事でしょう?マーケティング部でやれないの?」と協力を断られる
「コンテンツを作って何のメリットがあるのか腑に落ちていないから、そこに時間を割けない」と優先度を下げられる
「マーケティング部は自分たちの活動のために仕事を増やしてくる」と不満を持たれる
こうした部門間の衝突はマーケティング推進を停滞させる要因になるため、できる限り避けたい。部門間衝突を避けるためには、何のためにコンテンツマーケティングに取り組むのか、協力することでどのようなメリットを得られるのか、何をもって活動の善し悪しを評価するのかを伝え、認識をすり合わせることが重要だ。
コンテンツマーケティングは営業の生産性を高められる力を秘めているという理解を持ってもらえれば、協力を得られる可能性が高まるだろう。
顧客像をチーム内で一致させる
顧客と対峙する機会が営業と比べて少ないマーケティングチームでは、顧客解像度が荒くなってしまうことが多い。複数人のチームを組んで推進しているものの、メンバーごとに顧客像が一致しておらず、一枚岩になれないということもある。
システム環境を整備すれば顧客の行動データを取得することはできるが、行動データが見えれば顧客が見えるのかといえばそうではない。取得できるのはあくまで顧客のデジタル上での行動のみであり、データとして蓄積されない行動や興味関心までコンテンツマーケターは知る必要がある。
顧客についてより深く知り、チーム内での認識を一致させるには、直接顧客と話し、その内容を記録して見返し続けるのが最も確実だ。架空の顧客を空想するのではなく、現場に足を運んで顧客と話そう。
コンテンツマーケティングの収益貢献を可視化できる環境をつくる
コンテンツマーケティングが抱える最大の難点は、収益への貢献を適切に評価するのが難しいことだ。事業成長に良い影響を与えているという感覚を社員全員が持てていればよいが、証明できないものを浸透させるのはなかなか難しい。また、どの程度収益に貢献しているかを数字で表せないと、経営者は多額の投資を集中させる判断をしにくい。
デジタル上で情報収集することが当たり前になっている現代では、顧客は様々な場面で、複数回にわたってコンテンツに接触している。具体的に購買を検討する前の接触も、顧客の意思決定に影響を与えている。
コンテンツマーケティングの収益貢献を可視化するには、オンライン・オフラインでの顧客行動データを突合し、発生した収益を各コンテンツに按分する「マルチタッチアトリビューション分析」が有効だ。マルチタッチアトリビューション分析を実現するには大がかりなデータ環境整備が必要となるが、データドリブンなコンテンツマーケティングを実行しようとすれば欠かせない要素となる。

参考:マルチタッチアトリビューションとは:adjust佐々直紀さんに聞く|Unyoo.jp
コンテンツマーケティングの成功をつかむ戦略策定手順
コンテンツマーケティングの成功をつかむためには、「戦略」「組織・オペレーション」「企画・制作」「集客」の4つを磨き続けることが求められる。ここでは、「戦略」に焦点を当て、戦略策定の手順を10ステップで解説する。
戦略策定の手順
コンテンツマーケティングの目的を定義する
ターゲットオーディエンスを決める
顧客解像度を高める
3-1. n=100~1,000程度の調査を実施する
3-2. 顧客インタビューを実施する
3-3. ペルソナを作成する
3-4. カスタマージャーニーマップを作成する
競合理解を深める
4-1. 競合企業をリストアップする
4-2. 各企業の提供価値を調査する
4-3. 各企業がおこなっているマーケティング施策を洗い出す
4-4. 各企業が獲得している検索キーワードを調査する
自社の提供価値を明確化する
5-1. 自社の特徴を洗い出す
5-2. 自社ならではの提供価値を定義する
メッセージハウスを作成する
制作するコンテンツ形式を選定する
KPIを設計する
コンテンツ制作計画を立てる
コンテンツ制作に必要な体制を整える
1. コンテンツマーケティングの目的を定義する
コンテンツマーケティングで成功をつかむためには、目的を明確に定義する必要がある。先述の通り、コンテンツマーケティングによって企業が得られる恩恵は多岐にわたる。
コンテンツマーケティングによって企業が得られる恩恵
コンテンツが資産となり、収益拡大の基盤となる
一定の運用コストで効果を増大できる
顧客の第一想起を取れる
ターゲット層と広く接点を持てる
読者間でのシェアを期待できる
営業活動を効率化できる
営業活動の質を高められる
顧客との関係深化につなげられる
自社内のナレッジシェアにつながる
会社としてのブランディングにつながる
様々な恩恵を受けられること自体は素晴らしいが、「コンテンツマーケティングは様々な面で自社に恩恵をもたらすものだから、目的は決め切らずに進めよう」となると活動にブレが生じる。目的を明確にし、目的に対して一直線に向かう活動を続けることで、"結果として"様々な恩恵を受けられる。
コンテンツマーケティングの目的は各社様々だが、代表的なものは以下の5つだ。
コンテンツマーケティングの目的
月間商談創出数の増加
新規リード獲得数の増加
ブランディング
市場啓蒙
採用応募者数の増加
上記を参考に、「自社は何のためにコンテンツマーケティングをやろうとしているのか」を改めて定義してみてほしい。
2. ターゲットオーディエンスを決める
ターゲットオーディエンスとは、重点的に価値を訴求したい顧客群のことを指す言葉だ。コンテンツマーケティングにおいては、「コンテンツ発信を通じて情報を届けたい相手」とも言い換えられる。
コンテンツマーケティングは、特定の人々に対し、特定のテーマで情報を届けることで効果を発揮する。自社が発信するコンテンツの読者を明確化させ、読者が喜ぶテーマのコンテンツをつくり続けることで、重宝されるメディアとなっていく。
ターゲットオーディエンスは自社および担当事業のターゲットと一致させることが多いが、必ずしもそうとは限らない。営業活動では大企業を重点的にアプローチするが、コンテンツマーケティングではそれ以外の企業に対して発信する、というように棲み分けることもある。
自社が誰に対してコンテンツを届け、自社商品・サービスの利用を検討してほしいのかを検討し、ターゲットオーディエンスを決めよう。
3. 顧客解像度を高める
顧客解像度を高めることこそが、コンテンツマーケティングの成否を分ける最重要事項である。顧客を知らずして、真に顧客の役に立つコンテンツを生み出すことはできない。
コンテンツマーケターは顧客と会うことを恐れ、社内にこもりがちな性質がある。コロナ禍で気軽に訪問できない時期を経た今、その傾向はかつてよりも顕著となっている。
ここでは、顧客解像度を高めるためにおこなうことを4つ解説する。
3-1. n=100~1,000程度の調査を実施する
はじめに、顧客が抱えている悩みのあたりをつけるために、n=100〜1,000程度のアンケート調査を実施する。
顧客が抱えている課題を会議で出してしまうと、得てして"実際の顧客課題"ではなく、"偉い人が評価した顧客課題"が打ち上げられてしまう。しかし、顧客課題を最も理解しているのは営業担当者であり、役職の高低はまったく関係ない。一方、営業担当者からヒアリングして出てくる「よくある顧客課題」も、実際に多い場合もあれば、数は少ないが印象的で頭に残ってしまっている場合もある。
自社のターゲットが抱える課題とそれぞれの量を正しく把握するためにも、アンケート調査というプロセスは踏んでおきたい。
3-2. 顧客インタビューを実施する
多くのコンテンツマーケターが目を伏せているが、絶対に避けてはならないのが「顧客インタビュー」だ。顧客を深く理解することを目指すうえで、顧客インタビューを超える取り組みはほかにない。最低でも1人、できれば3人以上、それぞれ1時間程度かけて徹底的に聞き込みする。
以下、顧客インタビューの質問項目をまとめている。
BtoB事業の場合
お客様のプロフィール
所属企業
所属部署
役職
年齢
経歴
職種
お客様の業務内容
業務の概要
対象顧客
所属部署のチーム構成、役割分担
サービス利用前の状況
業務において要求される成果
成果を出すにあたって抱えていた課題
課題解決のためにおこなった情報収集
サービス利用検討時の状況
自社に問い合わせた理由
相見積もりを取ったか否か
自社を選んだ決め手
社内承認の流れ
サービスを比較し、社内承認を得る過程で苦労した点
契約後の動き
プロジェクト開始後の活動内容
サービス利用を通じて得られた成果
現在も抱えている課題
サービスへの満足度
今後の展望
お客様が今後実現していきたいこと
自社に提案してほしいこと
BtoC事業の場合
お客様のプロフィール
年齢
家族構成
居住エリア
仕事
収入
趣味
関心ごと
買い物の判断基準
その他(事業内容に合わせて項目を洗い出し)
時間の使い方
平日の過ごし方
休日の過ごし方
極力削るようにしている時間
極力削らないようにしている時間
お金の使い方
月の予算配分
意識的に出費を絞っているもの
意識的にお金を使っているもの
性格
自認している性格
人から言われる性格
「楽しいな」と感じるとき
「幸せだな」と感じるとき
商品購入までの経緯
○○(商品のカテゴリ)に興味を持ったきっかけ
○○(商品のカテゴリ)に興味を持つ前に悩んでいたこと
悩み始めた時期
悩み始めてから自社商品を購入するまでの期間
同じ悩みの解決策として他社商品を購入した経験
他社商品では悩みを解消できなかった理由
自社商品を知った時期
自社商品を知ったきっかけ
自社商品について魅力を感じたポイント
商品購入後の感想
自社商品に対する満足度
満足している点
改善してほしい点
今の関心ごと
自社商品の利用後、新たに生まれた関心ごと
今やりたいこと
顧客インタビューした内容は動画(または音声)、テキスト両方で記録し、共有すると良い。顧客の生の声は、迷ったときに立ち返る指針となる。
3-3. ペルソナを作成する
顧客インタビューを通じて得た情報をもとに、自社商品・サービスの主要顧客となり得る人物像をペルソナとして描く。
ペルソナは、チームメンバーが持つ顧客像を統一するためにつくる。インタビューを通じて得た顧客の実態を言語化し、いつでも見られる形に落とし込む。
ペルソナは1枚のスライドで作成する。スライドを2枚、3枚とすると2枚目以降の読み込みが甘くなり、メンバー間で顧客イメージにズレが生じやすい。たった1枚のスライドに落とし込み、全員が同じ顧客をイメージできるようにすることが重要だ。

3-4. カスタマージャーニーマップを作成する
ペルソナを描いた後、ペルソナの購買プロセスをカスタマージャーニーマップで整理する。
カスタマージャーニーマップとは、顧客が情報収集して商品・サービスを認識し、購買、継続購入に至るまでの流れを表すマップのこと。カスタマージャーニーマップを作成することで顧客行動を可視化でき、顧客のニーズにあったコンテンツを適切な場所、適切なタイミングで届けられるようになる。
ペルソナが商品・サービスを認識してから購買に至るまでの流れは顧客や商材によって異なるが、一般的には以下のような流れをたどっていくと考えられている。


このように、顧客行動のフェーズ、各フェーズで取る行動、求める情報をマップ化することで、顧客が求めるコンテンツを思案しやすくなる。コンテンツのアイデア出し・企画は、作成したペルソナとカスタマージャーニーマップをもとにおこなうと捗るだろう。
4. 競合理解を深める
続いて、競合企業に関する理解を深めていく。競合企業については、提供価値とマーケティング活動状況を中心として深掘りする。
4-1. 競合企業をリストアップする
まずは、競合企業をリストアップする。競合企業をリストアップするうえで重要なことは以下3つ。
直接的な競合だけでなく、間接的な競合もリストアップする
自社が競合と認識しているかではなく、顧客が比較対象として認識しているかを基準とする
事業としての競合だけでなく、Web上での競合もリストアップする
競合企業をリストアップするときは、間接的な競合もリストアップする必要がある。
例えば、カフェチェーンのStarBacks Coffeeの直接的な競合といえば、同じくカフェチェーンのドトール、コメダ珈琲などが挙げられるだろう。しかし、「ちょっとしたスキマ時間を過ごす場所が欲しい」という顧客ニーズを対象とするのであれば、競合はコーヒーチェーンに限らない。マクドナルドやショッピングモールなど、ちょっとした時間を過ごせる場所はすべて競合ということになる。
また、コンテンツマーケティングにおける競合は、事業として競合する企業だけとは限らない。同じターゲットオーディエンスに向けて事業を展開している企業であれば、似たような情報を発信して競合する場合もある。
競合企業を洗い出すときは自社の事業体に囚われず、顧客のニーズから考えて競合しうる企業を漏れなく洗い出すことが重要だ。
4-2. 各企業の提供価値を調査する
続いて、リストアップした企業のなかで注視すべき企業(自社のターゲット顧客が選択する可能性が高い企業)について、提供価値を調査する。既存事業であれば、コンペであたることが多い企業に絞るのも良いだろう。
提供価値を調査するために、以下の項目に関する情報を重点的に収集する。
打ち出しているコピー
商品・サービスの機能
顧客サポート体制
支援事例コンテンツでの訴求内容
費用形態
価格
購入場所
上記の情報を収集し、顧客への提供価値を一言で言い表すことで、競合企業が顧客に提供している価値をより深く理解できる。
4-3. 各企業がおこなっているマーケティング施策を洗い出す
競合企業のマーケティング戦略を理解するために、当該企業がおこなっているマーケティング施策を洗い出す。競合がおこなっている主要なマーケティング施策を把握することで、マーケティングにおける勝ち筋が見えてくる。
BtoBでは、定番と呼ばれるマーケティング施策がある程度固まっている。競合企業のマーケティング施策を調査するうえで、下記施策の実施状況を確認しておくと良い。

BtoCは定番の型にあてはめてマーケティング施策を調査することが難しく、施策の実施状況を個別に見ていくことになる。
競合企業のマーケティング施策分析は、突き詰め始めるとキリがない。競合企業が特に注力している施策に絞って分析する程度に留めると、時間を有効活用できるだろう。競合分析は重要であるものの、何より大切なことは”顧客”に”価値”を提供することだ。
4-4. 各企業が獲得している検索キーワードを調査する
最後に、各企業が獲得している検索キーワードを調査する。検索キーワード調査は必須ではないものの、検索流入をチャネルとして重要視するのであれば外せない工程だ。
競合企業の獲得済み検索キーワードは、有料のSEO調査ツール『Semrush(セムラッシュ)』または『ahrefs(エイチレフス)』を利用すると簡単に抽出できる。

各社が獲得しているキーワードには、コンテンツ発信の方針が如実に表れる。獲得キーワードと実際に掲載しているコンテンツを確認し、競合企業のコンテンツマーケティング方針を把握しておこう。
5. 自社の提供価値を明確化する
顧客解像度を高め、競合理解を深めたあとは、自社の提供価値を明確化する。
5-1. 自社の特徴を洗い出す
自社の特徴は、「SWOT分析」のフレームワークを活用して可視化する。
SWOT分析とは、「強み(Strength)」「弱み(Weaknesses)」「機会(Opportunities)」「脅威(Threats)」の4要素を分析し、自社の特徴を可視化するフレームワークのことだ。

5-2. 自社ならではの提供価値を定義する
顧客ニーズ、競合企業の提供価値を加味して、自社ならではの提供価値を定義する。自社ならでは提供価値を定義するには、バリュープロポジションというフレームワークを活用できる。

以下3つの要素を満たしたとき、自社独自の価値を導き出せる。
顧客が求めること
競合が提供できないこと
自社が提供できること
バリュープロポジションは事業推進・マーケティング推進の指針となるもの。短く、そしてわかりやすいメッセージに落とし込むことでその効果を発揮する。
グロースソイルでは、バリュープロポジションを以下の通り設定している。
「コンテンツの力で持続的な事業成長の”土壌”をつくる」
6. メッセージハウスを作成する
読者に対してメッセージを届けるために、企業は継続的にコンテンツを制作し続ける必要がある。制作するコンテンツを通じて一貫したメッセージを届けるために、メッセージハウスを作成する。
メッセージハウスとは、組織が様々なチャネルおよびコンテンツで一貫したメッセージを届けるためのフレームワークのこと。メッセージハウスとして自社が顧客に届けるメッセージを可視化することで、関係者全員の目線を合わせられる。

メッセージハウスは、「ヘッドラインメッセージ」「コアメッセージ」「ファクト」の3要素で構成されている。
ヘッドラインメッセージ:メディア全体で読者に届けたいメッセージのこと
コアメッセージ:コンテンツを通じて読者に届けたい重要なメッセージのこと
ファクト:各コアメッセージが正しいものだと断言するための根拠となるデータ・事実
7. 制作するコンテンツ形式を選定する
コンテンツを制作するといっても、コンテンツには様々な形式がある。どのような形式のコンテンツを制作していくのかあらかじめ決めておくことで、円滑にコンテンツ制作を進められる。
制作するコンテンツ形式は、カスタマージャーニーマップをもとに選定する。「顧客の購買行動をサポートするために何のコンテンツが必要か」といった視点で配置していく。


BtoB事業では各コンテンツが持つ役割がある程度分かれているが、BtoC事業ではひとつのコンテンツで購買プロセスのすべてを担うということもある。加えて、BtoB事業以上にユーザーの口コミが重要となる。口コミは自社だけでコントロールし得ないものだが、どのようにして口コミを集め、潜在顧客に届けるのかもあわせて考えておく必要がある。
8. KPIを設計する
コンテンツは事業成長を支える基盤となるが、投資を回収するまでにかなりの時間がかかる。中長期的な取り組みを途中で頓挫させないためにも、妥当なKPIを設計することは重要だ。
コンテンツマーケティングのKPIは、以下の短期・中期・長期に分けて設計すると良い。
期間 | テーマ | 指標 |
短期(3ヶ月程度) | 運用の安定化 | 月間更新本数 |
中期(1年程度) | コンテンツ品質の安定化 | 獲得ユーザー数 |
長期(2~3年程度) | 事業への貢献 | サービス詳細資料ダウンロード数 |
「コンテンツマーケティングは事業の成長を考えるうえで欠かせない、止めることはあり得ない取り組みである」と上層部含めて認識を共有できている場合、KPIを置かないという手もある。KPIは組織をマネジメントするうえで有効な手法であるが、顧客視点を失う元凶でもあるからだ。
グロースソイルでは、コンテンツの公開本数以外のKPIは一切設定せず、コンテンツマーケティングを進めていくことにしている。
9. コンテンツ制作計画を立てる
コンテンツを安定的に生産するために、コンテンツ制作計画を立てる。コンテンツ制作計画は、中長期(1年程度)のざっくりとした計画と、短期(3ヶ月程度)の具体的な計画をつくると良い。
中長期のざっくりとした計画を立てることで、計画を実行するために必要な人員や予算のあたりを付けられる。また、コンテンツマーケティングへの予算投入を上層部が意思決定するための検討材料となる。
短期の具体的な計画を立てることで、実際にコンテンツを制作し、公開していく流れを円滑に進められる。コンテンツマーケティングの実務経験上、その月に公開するコンテンツのテーマが決まっていないと、制作に関わる各種プロセスの進行が後手に回りやすい。どのコンテンツをいつ公開するのか、誰が制作するのかといった要件を3ヶ月先まで決めておくと、滞りなくコンテンツを公開できるようになる。

参考:2024年度コンテンツカレンダー_テンプレート
(スプレッドシートをコピーしてご利用ください)
10. コンテンツ制作に必要な体制を整える
コンテンツ制作計画を実現するために、必要な体制を整える。コンテンツの制作体制を整えるために、主に以下6つを検討する。
各コンテンツを生産するのにかかる時間
コンテンツを生産するのに必要な職能
コンテンツを生産するのに必要なツール
チーム外メンバーとの協力関係
効率的にコンテンツを生産するための業務フロー
体制を維持するための予算
実務に落とし込むために体制を整えようとすると、上記のほかにも必要な検討事項が出るだろう。他社の事例も参考にしながら、自社の状況に合ったベストな運営体制を作り上げていってほしい。
コンテンツマーケティングは、企業を持続的な成長へと導く礎となる
コンテンツマーケティングは、マーケティングにおける取り組みのなかでも成果が出るまでに時間がかかる方だ。しかし、コンテンツが資産として蓄積していくと、事業が継続的に成長する礎となる。
価値あるコンテンツを発信し続ければ、ありとあらゆる恩恵を享受できる。短期的な利益だけでなく、中長期的な目線も持ってコンテンツマーケティングに取り組んでもらえれば幸いだ。
この記事の執筆者
株式会社グロースソイル
代表取締役
髙橋 航平
大学卒業後、新卒で人材系ベンチャー企業のネオキャリアに入社。マーケティング本部にて、新規BtoBメディア事業の立ち上げを経験。 その後、MAの導入活用支援会社に転職し、コンテンツ編集長として自社マーケティングと新規顧客開拓を推進。
2024年1月、株式会社グロースソイルを創業。BtoB企業のナーチャリング課題を解消できる会社づくりに取り組む。


