【Repro株式会社】日々蓄積する知見を体系化。相談会・商談で活用できる記事コンテンツが生まれるまで
2026/01/22
コンテンツマーケティングにおいて、現場に豊富な知見があるほど「膨大な情報をどう体系化し、届けるか」という編集の壁は高くなります。
マルチチャネル統合マーケティングオートメーション「Repro MA」、タグを設置するだけでWebサイトの表示速度を高速化する「Repro Booster」の提供を行うRepro株式会社では、実践的な知見を持ちながらも、それを「読む形」へ翻訳し、継続的に発信するためのリソースと手法の壁に直面していました。
今回、同社がグロースソイルの支援のもとで取り組んだのは、「取材」を起点に現場の論点を整理し、商談やナーチャリングで直接活用できる資産としての記事制作です。
本記事では、ご依頼の背景や制作プロセスで印象に残っていること、そして制作した記事の活用法まで、詳しくお話を伺いました。
本事例のサマリ
蓄積された知見を、テキストコンテンツとして活かしきれていなかった
取材を通じて思考や判断の背景を体系化し、ナーチャリング向けの記事コンテンツとして整理
記事を起点に顧客との前提共有が進み、相談・商談の場での会話の質が向上した

写真右:Repro株式会社 App Evangelist 中野 竜太郎 様
写真中央:株式会社グロースソイル 西村 和音
写真左:株式会社グロースソイル 代表取締役 岩野 航平
知見は十分にある一方、記事コンテンツとして体系化する術がなかった

——まず、貴社の事業内容についてご紹介をお願いいたします。
Reproは、Web・アプリ領域を中心に、企業のマーケティング支援を行っている会社です。
プロダクトとしては、企業内に散在する多様なデータを統合し、一貫した顧客体験づくりを支援する「Repro MA」や、タグを入れるだけでWebサイト表示を高速化できる「Repro Booster」などがあります。どのプロダクトについても、ツールを提供して終わりではなく、実運用でどう成果を出すかまで伴走するスタンスを大切にしています。
――支援開始当時、すでにオウンドメディア「Repro Journal」での発信は活発でしたよね。
おっしゃる通り、記事としての発信自体はこれまでも継続的に行っていました。そのなかで一貫して重視していたのは、一次情報をもとにしたコンテンツ発信です。
特にアプリマーケティング支援の領域は、SEOで狙うべきキーワードが限られていることもあり、単なる検索流入狙いの内容よりも、事業者の方にとって本当に役立つ情報をお届けすることを徹底してきました。
――グロースソイルにご依頼をいただいた当時、制作面ではどのようなお悩みがあったのでしょうか?
発信に向けたネタの種自体は、いくらでもある状況でした。というのも、当社ではアプリ運営担当者向けに、私が直接課題をヒアリングして戦略の壁打ちや改善案を提示する「無料相談会」を開催しているからです。
多いときで1日2〜3件のペース、半年で100件以上の相談を受けていると、事業者が共通してつまずくポイントやリアルな悩みが見えてくるため、発信すべき一次情報や企画の種は、私の頭の中に溜まっている状況でした。
ただ、コンテンツを介した知見の発信においては、現場の知見をテキストに「翻訳」する難しさに直面していました。相談の場で「話す」ことと、記事として「書く」ことでは、アウトプットの際に使う筋肉がまったく違います。
自分たちだけで書こうとすると、専門家として「当たり前」と思っていることを無意識に省いてしまい、事業者の方が本当に知りたいポイントからズレてしまったり、内容が独りよがりになったりしがちです。専門性の高い実務ナレッジを、前提知識のない事業者の方にも伝わるかたちへと客観的に体系化するプロセス。そこをどう突破するかが、コンテンツの質を左右する大きなテーマでした。
期待以上の「翻訳」が、ナーチャリング資産を積み上げるイメージにつながった

――グロースソイルに依頼することになったきっかけは何でしたか?
最初のきっかけは、グロースソイルさんの無料制作キャンペーンでした。お試しでナレッジ記事を1本制作いただいたのですが、その品質が期待以上だったんです。
取材の際は事前にこちらで内容を細かく整理した資料を用意できていたわけではありませんでした。いわば「お手並み拝見」のような状態でお話ししたのですが、できあがった原稿を見てみると、私が普段の無料相談で伝えている考え方や、重視している論点が正確に拾われていました。インプットが限られたなかでも、こちらの意図を深く理解しようとする姿勢が伝わってきましたね。
――最終的な決め手はどこにありましたか?
私の頭の中にあるインサイトを、第三者の視点から「事業者にとっての価値」に翻訳してもらえると確信できたことです。
今回私たちがやりたかったのは、単なる記事の量産ではなく、商談現場で話している生きた知見をナーチャリング資産として積み上げていくことでした。
その点、グロースソイルさんから提案いただいた「取材を通じて話者の頭の中を整理し、記事化する」というナーチャリングコンテンツ制作のプロセスは、まさに私たちが求めていたものそのものでした。 無料制作記事を見て「一緒に記事づくりに取り組めたら、私が口頭で伝えている熱量を落とさず、むしろより強固な資産として残していける」と感じたこと。それが、ご依頼を決めた一番の理由です。
第三者の視点で構造化されたコンテンツにより、商談の質が向上

——今回は、どのようなナーチャリングコンテンツを制作したのでしょうか?
今回制作したのは、無料相談の中で実際によく出てくる悩みや問いを起点に、それに対する考え方や判断の背景を整理した、ナーチャリング向けのコラム記事です。
相談の場では、いきなり施策の話に入るというよりも「今、どこでつまずいているのか」「何に迷っているのか」といったところから話が始まることが多いのですが、今回の記事も、そうした相談の流れをベースにしながら、考え方を順序立てて整理していきました。
——制作を進めるなかで、特に印象に残っている点はありますか?
制作の過程で、私自身が普段は感覚的に話している内容が、自然と体系立てられていったのが印象的でした。個人的には、取材での「深掘り力」が最終的なコンテンツの品質に大きく効いていて、そこがグロースソイルさんの強みだと感じています。
実は、私は基本的に台本通りに話さないんですよ。事前に記事の構成を作っていただいても、実際の取材では結局ほとんど使わなかった、なんてことも多くて。
でも、担当の西村さんは、決められた流れに無理やり当てはめようとするのではなく、私の話を聞きながら「それってどういうことですか?」と純粋な問いをぶつけて深く掘り下げてくれます。
また、私は社内の勉強会などでもよく話をしますが、どうしても前提を省いてしまったり、話が取っ散らかったりしがちです。そこを第三者の視点で「それを知らない人が読んだらどう伝わるか」と整理してもらえることで、自分の頭の中にあるものがより強固なコンテンツに昇華されていく感覚がありました。完成した記事を読んだとき、自分でも「ちゃんとまとまっているな」と感動したほどです。

写真:制作を担当したグロースソイル 西村
——記事を公開してから、貴社のマーケティング・営業活動にはどのような変化がありましたか?
最近は、事前にお客様が記事を読んだうえで相談や商談の場に来てくださるケースが増えており、確かな変化を感じています。
例えば無料相談の場では、初対面のお客様に対して「どこから、どこまで説明すべきか」を探りながら話すことが多いのですが、共通のコンテンツを読んでいる前提があるだけで、会話のスタート地点が自然と深くなり、本題から話を始めやすくなった感覚があります。
また、作成した記事は商談の前後でこちらからお客様に共有することもあります。多くの企業が共通して悩むポイントについては記事を参照いただくことで、限られた時間のなかでもよりお客様の個々の状況に合わせたお話がしやすくなりました。コンテンツが単なる読み物ではなく、現場で使える資産になっているという実感がありますね。
――中野様個人としての手応えはいかがでしょうか。
記事を通して、自分がどういう考え方で相談に向き合い、どういうスタンスで話をしているのかが、外からも見える形になったことは大きいですね。
これまでは、お客様にとって「誰に相談すればいいのか」がわかりづらい部分もあったかと思いますが、記事が名刺代わりになることで、「この人なら、こういう進め方で解決してくれそうだ」という安心感や期待値を、お会いする前の段階から持っていただけるようになりました。そのおかげで、初対面であってもすでに一定の信頼関係が築けているような、温まった状態から会話を始められる場面も増えています。
記事を情報のベースメントとし、あらゆるチャネルへ展開するサイクルへ

——コンテンツマーケティング活動のなかで、今後挑戦したいことはありますか?
一つのコンテンツを起点に、複数のチャネルへ展開していくサイクルを回していきたいと考えています。その一環として、西村さんと取り組んでいるのが制作プロセスそのものを変える挑戦です。
これまでは、グロースソイルさんに企画や構成をご提案いただいた後、その趣旨に沿って取材をしていただくという流れで進めていました。今試みているのは、まず私の頭の中にある話を取材でざっと出し切り、そこから企画や構成を整理して記事にまとめてもらうという、これまでとは真逆のプロセスです。この進め方は、1つの大きなテーマを体系化して整理するのに向いていると感じています。
記事はほかのコンテンツ形式と比べて情報密度が高いので、まずは「ベースメント(起点となる土台)」としてしっかり残す。それをもとに資料を制作したり、セミナー登壇につなげたりと、いろいろな形に展開できればと考えています。まだ実験段階ではありますが、この効率的なサイクルを確立させていきたいですね。
——最後に、貴社がコンテンツを作るうえで大切にしていることを教えてください。
Reproでは、クライアントが「今、何に困っているのか」「どこで判断に迷っているのか」という問いを起点に、正しい情報をできるだけ早く届けることを何より重視しています。コンテンツを作るためにテーマを捻り出すのではなく、実際の商談のなかで繰り返し出てくる悩みや論点に対して、私たちが提供できる知見を整理して外に出していくという考え方です。
当社には「クライアントファースト」という価値観が根付いていることもあり、その場しのぎの情報や、誤解を生むような表現はできるだけ避けたい。単にコンテンツの量を増やすことよりも、読者にとって本当に意味のある情報をお届けすることにこだわりたいんです。
今回の取り組みで、蓄積した知見をコンテンツとして発露するプロセスを確立できました。今後は、ほかのテーマでも発信していくこと、コンテンツリサイクルを滞りなく回すことに注力していきたいです。
本プロジェクトの担当者
株式会社グロースソイル
代表取締役
髙橋 航平
大学卒業後、新卒で人材系ベンチャー企業のネオキャリアに入社。マーケティング本部にて、新規BtoBメディア事業の立ち上げを経験。 その後、MAの導入活用支援会社に転職し、コンテンツ編集長として自社マーケティングと新規顧客開拓を推進。
2024年1月、株式会社グロースソイルを創業。BtoB企業のナーチャリング課題を解消できる会社づくりに取り組む。


